2017年5月4日木曜日

夜宵  読みました!!

タイトル : 夜宵
賞種   : ―
出版   : 講談社文庫
著者   : 柴村 仁
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
ホラー作品です!


お前は惑うたのか

人でない者の出入りする細蟹の市
そこに迷い込んだ者は――
再読を誘うホラー系
なかなか良かった
読み終わるともう一回読まなきゃ
と思わせる巧みな一冊
短く区切られたお話が続いていくので
徐々に読み進めていくことも可能です
本当は怖いおとぎ話みたいな空気に
いつの間にか取り込まれていて、
別の世界へ行ってきた錯覚を
味わうことができるでしょう
チョコレートにしばらくウッとしそうです


今日の甘口!

・流れ
  日が沈んでから日の出まで行われる
  細蟹の市
  そこでは非合法なものまで
  何でも売られているという
  市にいる者は皆仮面をつけ
  素性もよく分からない
  何も知らずに市に迷い込んだ者は
  乱暴されるか人さらいに遭うか・・・
  または、保護されるか
  そんな危険も伴う市にわざわざ
  やってくる者もいて・・・という流れ
・テイスト
  軽くホラー要素入ってますね
  ホラー全開というわけじゃないんですが
  要所要所では本当に怖いです
  最初のお話が割とゾッとしました
  お話ごとに視点が変わるので
  色々な心理描写が
  楽しめるでしょう
・キャラ
  【サザ】
  細蟹の市の保安官みたいな存在
  何も知らずに市に迷い込んだ人を保護する
  淡々としているが優しい
  【カンナ】
  サザに保護された少年
  記憶喪失
・描写
  敢えてどんな人物か書かなかったり
  読み手を間違わせる書き方をして
  後で実はこうだったというのを
  さらっと書くという技法が多様されています
  これは映像の無い小説だからこそできる
  言葉遊びなので、
  書き手の人はこうして遊んでみるのも
  小説の醍醐味であると
  覚えておくと良いでしょう


今日の辛口!

・全体
  街と市という柵の中の世界
  固定化されているので
  そこから外が無い世界にも
  見えてしまいますが、
  これはそういうものだと思って
  読めば良いと思います


以上、
危険な市、な?!
ホラー作品でした!


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