2015年3月3日火曜日

楽園のカンヴァス  読みました!!

タイトル : 楽園のカンヴァス
賞種   : ―
出版   : 新潮社
著者   : 原田 マハ
イラスト : ―


今日のインプレダクションは一般文芸のコレ!
特殊なお仕事系作品です!


ルソーの魔力

美術館の監視員
しかし彼女に美術界での過去があって――
美術作品を巡る特殊なお仕事系
かなり良かった
一度人物に焦点を当てると
そこを入念に重厚に書くんだな
という印象が残った
文字の海という感じ
読んでいく内に絵画の内包する歴史
というものを意識するようになり、
物の見方が今後ちょっと変化しそうです
資産価値vs情熱
作品を後生に伝えるというのは
魔力に突き動かされた人々の
成せるわざなのかも


今日の甘口!

・流れ
  美術館の監視員として働く女性
  それは案内でもなく説明係でもなく
  絵を守るための係
  ルーチンワークの仕事だ
  しかしある日女性は館長室に
  呼び出される
  そこには新聞社の人間もいて、
  今度ルソーの展覧会をやりたいとのこと
  何故一介の監視員に声をかけたかというと、
  ニューヨーク近代美術館から
  交渉の窓口として指名があったらしい
  女性の経歴も、実は過去
  ルソーの論文をばんばん発表して
  博士号をとった人物だろうと暴かれる
  女性は窓口役を引き受けるが、
  過去のことが描かれる・・・という流れ
・テイスト
  さて女性の物語かというと
  過去編に行くとそうでなくなります
  過去編では外人男性にスポットライトが当たり、
  そこから終盤までずっとそのままとなります
  ルソーの未発表作品の真贋調査
  ということで伝説のコレクターに招かれ、
  外人男性・ティムと女性・織絵の対決
  何と対決方法は『ある物語を読むこと』
  そこにはルソーやピカソの生きた時代が
  書かれていた
  その物語自体も創作なのか事実なのか・・・
  画家の生活が物語で描かれることによって
  絵画の周辺が幅広く表現され、
  視界が広がるんじゃないでしょーか!
・キャラ
  【早川 織絵】は主人公女性
  既に中年だが昔はソルボンヌ大で
  ばんばん論文を発表していたらしい
  他人に踏み込ませないよう線引きする性格
  【早川 真絵】は娘
  外人とのハーフだけど父は不明
  それが田舎暮らしではいじめの原因となり
  教師にもいたずらされそうになって
  心を閉ざしてしまった
  【ティム・ブラウン】は過去織絵のライバルとして闘った男
  ニューヨーク近代美術館で
  アシスタント・キュレーターという役割だった
  それなりに野心があり、
  危ない橋でも渡ろうとする
・展開
  私は途中で『ん~この人物は怪しいのでは?』
  みたいにうがった見方を
  してしまいましたが、
  本作は事件モノではなく
  素直な展開となっております!w
  私は事件モノに毒されてしまってましたw
・気に入った言葉
  新しいなにかを創造するためには古い何かを破壊しなければならない


今日の辛口!

・描写
  個人的にはこの入念な書き方で
  入念すぎて『今どんなシーンだったか』
  を忘れてしまうことがあったのが
  ちょっと残念だったかな
  心理描写を主に見たいとか
  そういった方向性が好きな人の
  方が楽しめるのかも


以上、
ルソーに燃えた?!
特殊なお仕事系作品でした!


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