《番外編》２０１４年 ９月を振り返ります！！（その２）

さて９月に読んだ作品たちの
１０個星の紹介をします！


『給食争奪戦』（電撃文庫）
正直小学校が舞台ということで
ロリコンものかぁ・・・とか思っていたのですが
全然そんなことはなかった！
いじめなどもライトな範囲できちんと描かれていて、
極めてまともな内容です
自己肯定ツールばかりでラノベはいやだ！
という人もこれなら楽しめるのではないでしょーか！



『C.S.T. 情報通信保安庁警備部』（メディアワークス文庫）
未来の情報社会とサイバー犯罪で
とある作品を連想させますが、
恋愛成分が多めのため
恋愛が読みたいって人でも良いかも？




『グラウスタンディア皇国物語２』（HJ文庫）
本格的なのは苦手・・・という人向きの
ライトな戦記
今巻は謀略モノとしてオススメ！




『代償のギルタオン３』（スーパーダッシュ文庫）
苛酷なロボットファンタジーの３巻！
これだよこれ！　って感じの
余韻が残る筆致で
それぞれの正義というものが描かれています




『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン４』（電撃文庫）
鉄板の戦記！
エンタメを重視しつつ
正道も語られる素晴らしい作品！




『偽神戦記２』（スーパーダッシュ文庫）
鉄板の戦記その２！
こっちは更に大人な筆致になっていて
一段上のラノベを読みたい！
という人にオススメ！




『なぎなた男子!!』（メディアワークス文庫）
青春部活ものです！
捻くれ系ばかりでそろそろ
爽やかなのも欲しいよ！
という人にオススメ！




９月は１０個星が豊作で７個出ました！
大きな収穫ができましたね！

これだけ豊作だとホクホクです

来月反動が来ないといいなあｗ

それではまた！

《番外編》２０１４年 ９月を振り返ります！！

さて
夏休み明けでようやく慣れてきた！
という人や
１週間だけ休み取れた！
という人などなど
休み明けの体を慣らしたところですかね
いかがお過ごしでしょーか？

最近感じていることは、
一人称の『僕』について

小説では『僕』がやたらと多いのですが、
現実ではいい年した男が僕ちゃんなんて
そうそう言ってません
マザコンかよｗ

特に学生であればなおさら『俺』派が多いでしょう

では何故『僕』を採用する作家が多いのか？

女性ウケが良いからではないでしょーか！
女性作家が男キャラを描くと超高確率で『僕』です
『男の子とはこういうもの』という
一種の既成概念的なものか、
『僕』であってほしい、みたいな無言の要求があるみたいなんですよね

もう一つの理由は、『その方が下に見える』からですかね
社会人の間では自分を一段下に置いて
相手を立てるというような用法で
『僕』という一人称が使われていたりします
それを転用して作家が読み手を立てる、
みたいなつもりなのかもしれません
『本の中だけでも他人を見下したい』って読者層が
けっこう多いですからねーｗ


ついつい文章が長くなってしまったので
今月の１０個星は機会を見て別途書こうと思います！
ではでは！

大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド ８個星です！！

タイトル　：　大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド
賞種　　　：　―
出版　　　：　電撃文庫
著者　　　：　岬鷺宮
イラスト　：　NOCO


今日のインプレダクションはコレ！
大正風ファンタジー作品です！


評価は
★★★★★★★★☆☆
８個星です！！


罪を抱えた

帝都で起こる怪事件
からくり人形を操る犯人に立ち向かう
少女と記者は――
大正風ファンタジー
まあまあかな
歪んだ正義を悪（といってもそれほどでもない）
が斬る、という構図
一番裁かれなきゃいけない者が
降格だけで終わっているのが
消化不良かな
どうせ悪を自称するならもっと
徹底的にやっても良いんじゃないかと


今日の甘口！

・流れ
　　大正の帝都には《活き人形》という
　　からくり人形が暴れまわる事件が
　　起きていた
　　そして活き人形を倒して回る《墜落乙女》
　　という魔術使いも現れた
　　記者の男は墜落乙女を
　　独占取材し、
　　その戦いの背景を知ろうとする・・・という流れ
・テイスト
　　一応最初は活き人形を操る《人形座座長》という
　　犯人が何者なのか伏せられていて
　　ラストバトル前に明かされる、
　　という事件簿風味も少し入っています
　　でも基本は魔術を使う少女が
　　強くて暴れまわる、
　　ドレス姿で日傘を差していて・・・という
　　現実離れした姿を描くのがメインという感じですかね
・キャラ
　　【乱歩】は主人公男子
　　新聞社の記者
　　報道は脚色でなく事実を伝えるもの、
　　とする信念を持っている
　　【サヱカ】は墜落乙女
　　華族の少女で気まぐれ、高慢
　　【人形座座長】は敵役
　　活き人形を使役し帝都を混乱に陥れる
　　しかし魔術はサヱカと同じく何者かから
　　授かったらしい


今日の辛口！

・表現
　　墜落乙女は自称悪人で帝都民からも
　　悪人と言われているけど、
　　活き人形を凄惨に破壊するだけで
　　悪人というのがどうも腑に落ちない
　　まあ、悪という方がウケが良いんだけど
　　本物の悪人として描くとそれはそれで
　　ウケが悪くなってしまうからでしょーね
　　こういうの見ていて思うのですが、
　　歪んだ正義を悪が倒すって構図を
　　見て勘違いする読者層は多そうですね
　　『正義なんてないんだよ～』『正義なんてクソくらえだ！』
　　とかね
　　人生悟ったみたいな気分で言えるので
　　気持ち良いかもしれませんが・・・
　　あくまで本に出てきてるのは『歪んだ正義』
　　なのですが、
　　『歪んだ正義』と『正義』の区別がつくおつむを
　　持っている人がはたしてどれぐらいいるんだろう


以上、
ドレス姿で日傘、な？！
大正風ファンタジー作品でした！

僕が七不思議になったわけ ８個星です！！

タイトル　：　僕が七不思議になったわけ
賞種　　　：　第２０回電撃小説大賞・金賞
出版　　　：　メディアワークス文庫
著者　　　：　小川晴央
イラスト　：　―


今日のインプレダクションはコレ！
学園不思議作品です！


評価は
★★★★★★★★☆☆
８個星です！！


前に進めるか

七不思議を司る幽霊と出会い、
欠員補充のため
七不思議に仮登録されてしまうが――
静かな学園七不思議
それなりに楽しめました！
最後でじんわり感動
キャラ造形や展開が安定
している感じがしたかな
事件は起こるけど、
落ち着いた良いお話
作中では進めない自分と向き合う事が
できない弱さがよく表されています
等身大の青春って感じですね


今日の甘口！

・流れ
　　極度の心配性の主人公【中崎夕也】
　　学校に携帯電話を忘れてしまい、
　　深夜に取りに行く
　　そこで七不思議を束ねる幽霊【テンコ】と出会う
　　七不思議に欠員が出た
　　ということで夕也が欠員補充に選ばれ、
　　『三年Ｂ組　中崎くん（仮）』
　　と七不思議に加えられてしまう事に・・・という流れ
・テイスト
　　七不思議や幽霊と言っても
　　仲良くやっていくような形の作品です
　　この作品は全体通して
　　良い意味ではオーソドックスに
　　よく纏まっているという感じですね
・キャラ
　　本作は主人公やヒロイン含め
　　優秀な何かを持っている人を
　　遠めに見ながら凡人である事
　　を確かめ合う形になっています
　　ヒロインはこう言っています
　　『お姉ちゃんが何でもできる人で、どうしても自分と比べちゃってさ。
　　　時々、それがプレッシャーにもなってたの。
　　　だからさ、かっこ悪いっていうか、人間臭い人の方が、
　　　なんか一緒にいて安心するんだ』
　　人は近い感じ同士の方が安心します
　　凡人同士、ちょっとの背伸びはしたけど
　　そうした普通の人を据えた物語です
　　まぁ黒い部分は抜いちゃってるけど、
　　<普通>を普通として描いていますね
　　巷には<自称普通>が溢れていますがｗ


今日の辛口！

・全体
　　良い意味ではオーソドックスに
　　よく纏まっている、
　　ただ悪い意味ではパンチが無い・・・
　　といったところでしょうか
　　この手の仕掛けが好物な人なら
　　ある地点でおお騙された！　と
　　なるんでしょうけどｗ


以上、
七不思議になったよ、な？！
学園不思議作品でした！

わけありの方、歓迎します。 ６個星です！！

タイトル　：　わけありの方、歓迎します。斎藤さん家の五ツ星アパート
賞種　　　：　―
出版　　　：　メディアワークス文庫
著者　　　：　宇佐見秋伸
イラスト　：　―


今日のインプレダクションはコレ！
アパートモノです！


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
６個星です！！


来るもの拒まず

《斉藤ハイツ》にやってくる
ちょっとワケありの人達は――
何か抱えた人の集まるアパートモノ
普通かな
静かな語り口で展開される
日常ドラマは合う人には合うのかもしれない
ちょっと展開が読めてしまう分は
もう少し工夫してほしかったかな
良い意味では素直で読みやすい作品です


今日の甘口！

・流れ
　　ある老人がアパートに越してきた
　　老人は公園に行っては
　　観察して帰宅、を繰り返す
　　観察していたのはとあるマンション
　　そこに住む男に復讐しようとしていた
　　しかし相手を知る内に決心が揺らぎ始める・・・という流れ
　　その他それぞれワケありの
　　住人達と大家の家の娘達がおりなす短編集
・テイスト
　　ワケありというのが復讐だったり
　　空き巣だったり泥棒だったり・・・
　　そういうワケありかいｗ
　　という感じです
　　心理描写が大半で
　　そういうのが好きな人向けですかねー
・キャラ
　　【河井】はアパートに越してきた老人
　　優柔不断で流されやすい人生を
　　送ってきたらしい
　　復讐を果たそうとするけど・・・
　　【いづみ】はアパート大家のところの娘
　　ストーリーの進め役かな
　　【佐々木　稔】は河井が復讐しようとしている男
　　妻子持ちのようだけど・・・
　　・・・その他多数


今日の辛口！

・構成
　　いづみの動きでもうオチが
　　予想できてしまうのがちょっと物足りない
　　好意的に見れば王道で素直な展開なんだけど・・・


以上、
ワケあり住人の？！
アパートモノでした！

博多豚骨ラーメンズ ８個星です！！

タイトル　：　博多豚骨ラーメンズ
賞種　　　：　第２０回電撃小説大賞・大賞
出版　　　：　メディアワークス文庫
著者　　　：　木崎ちあき
イラスト　：　―


今日のインプレダクションはコレ！
裏のお仕事系作品です！


評価は
★★★★★★★★☆☆
８個星です！！


ナイスボール・・・

殺し屋のひしめく博多
連日のように仕事があるが、
世間は意外と狭いようで――
淡々と殺し屋達ばかりが
描かれた裏のお仕事系
不思議な読後感
本作は必ず買う前にあらすじを
読みましょう
ラーメン道を極める物語ではありませんｗ
別々の集団が事件によって
最終的に一点に向かうという
ストーリーが面白いですが、
出てくるのが殺し屋ばかり
復讐屋とかもいましたが・・・
バイオレンスな部分をあっさりと
描写したり、軽いテンポとかはラノベ
らしいと言えばらしいですかね


今日の甘口！

・流れ
　　博多の人口３％がなんと殺し屋！
　　警察もグルという物騒な町
　　殺し屋会社に就職してしまった男、
　　多国籍マフィア、
　　復讐を専門とする復讐屋、
　　殺し屋を恐れない探偵、
　　そんな彼らが
　　市長の息子の悪行を巡って
　　引かれ合う・・・というもの
　　バイオレンスが大丈夫な人向けですね
　　主人公というのも定めていないため、
　　俯瞰視点の方が楽しめるでしょう
・テイスト
　　キャラ達の軽妙な掛け合いは
　　結構楽しめるかと思います
　　それからハンムラビ法典の話が出てきますが、
　　悪い事した奴は・・・という所は良いですね
　　でも、あんまりそうじゃない人も
　　因果応報を受けたりします
・キャラ
　　【馬場善治】は探偵さん
　　飄々としているけど・・・
　　【林憲明】は殺し屋
　　ナイフ使いで女装家
　　・・・他多数
　　天才ハッカーとか
　　殺し屋殺しをする侍とか
　　そういったキャラの能力は
　　ラノベ的というかそんな感じです
・描写
　　バイオレンスな描写もあっさりしている所や
　　軽妙な掛け合いとかも
　　ラノベらしいという感じはしますね
　　女装、オカマ、ゲイとか
　　そっち方面を非常に手厚くして
　　いるのが特徴
　　作者がそういうの好きなのか・・・ｗ


今日の辛口！

・タイトル
　　タイトルは作品の雰囲気と
　　あまりにも離れていると思います
　　このタイトルでなければならない
　　ようにも見えないので、
　　もう少し良い題名は無かったのか・・・


以上、
物騒な町、な？！
裏のお仕事系作品でした！

ヴァルキリーワークス２ ５個星です！！

タイトル　：　ヴァルキリーワークス２
賞種　　　：　―
出版　　　：　GA文庫
著者　　　：　逢空 万太
イラスト　：　蔓木 鋼音


今日のインプレダクションはコレ！
ファンタジーラブコメモノです！


評価は
★★★★★☆☆☆☆☆
５個星です！！


ありがとうございましたー

ヒロインの持つ剣が
狙われて――
厳しいですねー
新しいヴァルキリーが出てきたけど
またちょっと頭の具合が悪い子
イジって遊んで楽しもうというものです
周囲が必ず主人公に
翻弄されてくれる前提なので
殆ど王様ですね、いっぱい自己肯定できます
２巻に入っても特徴の乏しさは
変わらずかな・・・


今日の甘口！

・流れ
　　武器になったり体を持って
　　暴れまわったりするのが《神威》
　　それを回収するのが《ヴァルキリー》
　　ヒロインの持っている神威を
　　奪いに新たなヴァルキリーが
　　やってきました
　　でも頭の弱い子で武器もへなちょこで
　　ぐだぐだしている内に撃退
　　また奪いにくるらしいけどどうしよう・・・という流れ
・テイスト
　　主人公の会話に周囲が常に
　　翻弄されてくれて
　　優越感得られますよーという形
　　相手を怒らせたりして主導権を握るのは
　　何の努力もしなくてもできそうな気がする・・・
　　ということで特定層にウケるのでしょうかねえ・・・
・キャラ
　　【理樹】は主人公少年
　　常に会話で相手を翻弄しようとする
　　【フェルズス】は幼女ヴァルキリー
　　残念な子
　　【シュヴェルトライテ】もヴァルキリー
　　剣を持つと斬りたいとかいう駄目な子


今日の辛口！

・全体
　　まーぐだぐだが強いだけで
　　ラブコメとしてのウリはどこだろー
　　と思ってしまった
　　ま、まあ、作者によほど心酔している人であれば
　　補正がかかって楽しめる・・・のかな？ｗ


以上、
ぐだぐだ、な？！
ファンタジーラブコメモノでした！

《番外編》『このライトノベルがすごい！２０１５』アンケートにぜひ投票を！

回し者風に宣伝です！ｗ
ライトノベルのランキング本
『このライトノベルがすごい！２０１５』が
年末に発売されると思いますが、
そのランキングを決定するためのアンケートが行われています


普段アンケートめんどくさい～という人も
そこを何とかお願いしますｗ

特にラブコメ以外での層の参加率が現状低いと思います
ネットを見ていると声が大きいのは
ラブコメ・エロ・萌え・・・そういった特定層ばかりだと感じます
硬派な作品を買っている人は静かすぎると思うのです！


◆現代の業界は買うだけではだめらしい

現代ではどうやら『買ってさえいれば続くでしょ？』
ではだめらしいのです

経済困窮の昨今、多くの人が『失敗したくない』と思い
ランキングや読書感想を見て購入する作品を選ぶようです
実際に失敗するかどうかは別として、
そうした『大きな声』に安心感を求める時代なのです


◆声の重要性

すると、声の大きいジャンルばかりが売り上げを伸ばし、
声の小さい静かなジャンルは隅に追いやられてしまうのです！
ラブコメ・エロ・萌え・・・そういった特定層ばかりの声が大きいと
それ以外のジャンルが隅に追いやられていってしまいます
自分の読みたいジャンルが刊行されない・・・そうなったら怖くないですか？

だからバランスをとるためにも、
広い層の投票が必要なのです！
これからは『買い支え＆声も上げる』方向でぜひ！

給食争奪戦 １０個星です！！

タイトル　：　給食争奪戦
賞種　　　：　第２０回電撃小説大賞・電撃文庫MAGAZINE賞
出版　　　：　電撃文庫
著者　　　：　アズミ
イラスト　：　すきま


今日のインプレダクションはコレ！
日常系作品です！


評価は
★★★★★★★★★★
１０個星です！！


手紙

小学校のとあるクラスでは
早食いで余りをゲットする争奪戦があり――
小学校の日常ドラマ
これはびっくり、凄く良かった！
ロリコン御用達のツールでなく、
いたってマジメな小説ですｗ
いじめやそれに立ち向かう時の痛み、
友達関係やダメな大人とか
内容に本気を感じさせます
構成も波を作って最後に温かい話に
持っていくので良い！
充分大人でも読めると思います、かなりオススメ
今後この作者がどんな作品を
出していくのか期待できる一冊


今日の甘口！

・流れ
　　小学校のあるクラスでは
　　一人がずっと休んでいて
　　いつもあまりがあった
　　そのあまりを巡って早食い競争する《給食争奪戦》
　　があった
　　しかし実質クラスを牛耳るリーダー
　　の一人勝ち
　　そいつからバレンタインの日に
　　出されるケーキを奪おうと画策する・・・という流れ
　　他幾つかの短編を収録しています
・テイスト
　　どの短編も主人公に成長が見られ、
　　最初は何かにまい進するんだけど
　　途中で周囲から言われたことや遭遇した出来事
　　などで自分を省みるのが良いですね
　　そして最後には感動系の締めに
　　持って行くのでほっこりします
　　くだらないエロや萌えに走っていないので
　　読み応え充分、大人でも読めるレベルなので
　　メディアワークス文庫で出しても良かったと思います、オススメです
・キャラ
　　【鉄】は主人公男子
　　クラスで発生したいじめが
　　エスカレートした時
　　止めに入ったいい奴
　　【マコト】は鉄の友達
　　最初はいじめられていたが
　　鉄が助けた
　　【ダイキ】はクラスのリーダー
　　他人を笑い者にしたりしていて
　　それがエスカレートしていじめを
　　行うようになった
　　【サワコ】はサバサバした女子
　　でも心ではいじめに傷付いていたりする
　　・・・ほか多数
・対抗する者
　　クラスのリーダーの横暴や
　　卑怯な手段、
　　これは卑劣な権力者の姿
　　そのままのような気がする
　　（汚い権力者って要は小学生レベルなんですね・・・）
　　それに対し策略で対抗という構図
　　卑怯には卑怯で対抗、
　　というやり方は順調に見えたけど
　　危うさもあるなあ・・・と思っていたら
　　友達から否定され、対立
　　あれだね、対抗しようとする人って
　　普通の人よりよほど大変な道を歩むことになるなあと思う
　　『卑怯で対抗したら君もあいつと同じになっちゃうじゃないか！』
　　とか友達に責められちゃうんですもんね
・描写
　　これは・・・うわべだけの
　　自己肯定ツールじゃなく
　　本気で書いているのが良い！
　　いじめについてはラノベで描ける
　　ぎりぎりの所まで描いていると思います
　　本作では暴力系の部分ばかりが
　　取り上げられていますが、
　　実際はもっと陰湿でじめじめしたものが
　　行われているでしょう
　　しかしそこも生々しく描くなら一般文芸で、
　　となってしまうのでしょうね


今日の辛口！

・特に無し！
　　特に突っ込みたいところは
　　ありませんでした！
　　次回作も期待していますよ～！


以上、
本気の小説、な？！
日常系作品でした！

C.S.T. 情報通信保安庁警備部 １０個星です！！

タイトル　：　C.S.T. 情報通信保安庁警備部
賞種　　　：　第２０回電撃小説大賞・メディアワークス文庫賞
出版　　　：　メディアワークス文庫
著者　　　：　十三 湊
イラスト　：　―


今日のインプレダクションはコレ！
SF事件簿作品です！


評価は
★★★★★★★★★★
１０個星です！！


一生のお願い

巧妙なサイバー犯罪が発生
その犯人とは――
けっこう恋愛色のあるSF事件簿
凄く良かった！
主人公が何かよく分からないけど活躍する、
というものでなくそこは聡明なヒロインが
担当しているのが特徴
進化した情報社会とサイバー犯罪は
《傀儡廻》が出てくる【アノ作品】を連想させる
スケープゴートの使用や犯人へ辿り着く
までの紆余曲折がよく作られていて、
後半にいくほど引き込まれた！
男がなかなか踏み出せない恋愛感情も
なかなか楽しめるんじゃないかと～


今日の甘口！

・流れ
　　情報通信保安庁警備部《C.S.T.》
　　はサイバーがらみに対応するところ
　　少女アイドルグループの
　　ライブで乱闘騒ぎが発生
　　この社会では既に脳の一部に
　　アクセス可能と言われるほど
　　情報通信が発達していた
　　これはウイルスによる事件なのか？
　　そんな中高齢者が熱中症で倒れる事件
　　なども起き、それもウイルスかもしれない、となる
　　大規模なサイバー犯罪の犯人を追うぞ・・・という流れ
・テイスト
　　サイバー犯罪を追いつつ
　　主人公の恋愛も進めていくというテイスト
　　サイバー犯罪では未来で起こりえる
　　人体への間接攻撃が取り上げられ、
　　恋愛では弱腰主人公の心情が
　　入念に描かれています
・キャラ
　　【御崎】は主人公男性
　　脳の大半がエロに割かれている
　　そしてチンピラ風
　　【浅井】は御崎の同期の一人
　　職務中にお菓子を食べまくり、
　　品行方正とは真逆
　　これまで多くの上官をノイローゼにしてきた
　　【伊江村】は部隊隊長
　　超美人だけど貧乳
　　クールで生真面目
・かけあい
　　伊江村には補佐役に篠木
　　という男性がいるのですが、
　　篠木は伊江村に心酔しているらしく、
　　褒められただけで抱きつこうとします
　　『私の補佐役にはお前しかない』
　　『はあん隊長！』
　　『私に３０センチ以上近付くな』
　　抱きつこうとする篠木の腹に肘をめりこませる
　　伊江村さん・・・ガード固いですｗ
・描写のリアリティ
　　C.S.T.の人事に大臣から横槍、
　　とか金で雇った者に伊江村を
　　乱暴させようとした、
　　とか権力者の汚さも普通に描いているのが凄い
　　大抵のラノベだと権力者を賛美するか
　　擁護するようなものばかりなんだけど、
　　これは珍しいですな～


今日の辛口！

・特に無し！
　　特に突っ込みたいところは
　　ありませんでした！
　　今後も頑張って下さいね～！


以上、
伊江村さん・・・ガード固いよ、な？！
SF事件簿作品でした！

銀光騎士団 ―フロストナイツ― ８個星です！！

タイトル　：　銀光騎士団 ―フロストナイツ―
賞種　　　：　―
出版　　　：　電撃文庫
著者　　　：　スズキヒサシ
イラスト　：　卵の黄身


今日のインプレダクションはコレ！
純ファンタジー作品です！


評価は
★★★★★★★★☆☆
８個星です！！


誓います

旅の途中で出会った少年
しつこく行動を共にしようと言ってくるが――
割と真面目な純ファンタジー
それなりに良かった
奴隷制について
随分熱心に描いているんだけど、
その中で助ける・助けない、
目先の助け・その後の世話、
とかドライなキャラとお人好しキャラ
で会話を重ねていくのが特徴
正義感を問うのと同時に
罪悪感も暗に問うていると思われる


今日の甘口！

・流れ
　　旅人は故郷へと向かう
　　旅の途中で
　　少年が男達に絡まれているのを目にする
　　少年を助けると成り行きでその少年の家に
　　泊めてもらう
　　旅人は次に立ち寄った宿で
　　助けた少年と再会する
　　少年はしきりに旅人と行動を共にしよう
　　とするが、旅人は単独でいようとする
　　でも何だかんだで関わっていく・・・という流れ
・テイスト
　　主人公が巻き込まれたくないと
　　思っていてもどんどん巻き込まれてしまう
　　超巻き込まれ型ストーリーｗ
　　敗戦の国で奴隷や没落貴族、王族
　　といった人達と関わり
　　ドライな主人公がどう心境の変化を
　　起こすかなーというもの
・キャラ
　　【アスペル】は主人公少年
　　過去村を焼かれていたり
　　過酷な人生を送ってドライになった
　　でもなりきれていない感じ
　　【リュシアン】は従者に『殿下』と呼ばれる少年
　　やや世間知らずでお人好し
　　一度言い出したらきかない感じ
・かけあい
　　リュシアンはアスペルに出会ってから
　　しきりに一緒に行こうと誘います
　　方向が一緒だから一緒に行こうよ、
　　馬も貸してあげる、といった感じ
　　何度も何度もアスペルは単独が良いと断りますが
　　最後には根負けして誘いを受けるんですね
　　しかし喜んだリュシアンは抱きついて・・・
　　『アスペル！』
　　『やめろ！　男に抱きつかれる趣味はない！』
　　しかもリュシアンの髪からは甘い香りがした
　　とか描かれていますｗ
　　でもリュシアンが本当に男かどうか・・・ｗ


今日の辛口！

・展開
　　巻き込まれたくない、
　　余計なことに関わりたくない、
　　と言いつつ巻き込まれていく状況が
　　白々しくてちょっと読みづらい
　　いちいち巻き込まれたくないという
　　心理描写は書かなくて良いかなー


以上、
男かどうか・・・な？！
純ファンタジー作品でした！

グラウスタンディア皇国物語２ １０個星です！！

タイトル　：　グラウスタンディア皇国物語２
賞種　　　：　―
出版　　　：　HJ文庫
著者　　　：　内堀 優一
イラスト　：　鵜飼 沙樹


今日のインプレダクションはコレ！
ファンタジー戦記作品です！


評価は
★★★★★★★★★★
１０個星です！！


開戦

隣国と開戦、
敵の兵力は膨大で――
ライト系ファンタジー戦記
今回は凄く良かった！
口と演技を武器に会話の主導権を
握るのは変わらず、
でもその演出が良くなった
戦術の方は、対大軍の作戦は地味ながら
堅実なやり方だったと思う
また、サイドストーリーの
ラトルグの権力闘争はなかなか面白かった
謀略系が好きだと結構ハマるかも？


今日の甘口！

・流れ
　　グラウスタンディアは
　　隣国リジアと会談を開いた
　　リジア海軍捕虜を帰す代わりに
　　一部の領土をもらいたい、
　　と交渉を持ちかける
　　しかしリジアはこれを拒否、
　　両国は戦争へ突入
　　陸と海から攻めてくるリジアの大軍を
　　押し返せるか・・・という流れ
・テイスト
　　今回も会議が重要視されたテイスト
　　前回よりも雑さが抜けて
　　一段上の筆致になった
　　そして主人公達グラウスタンディアとは別に
　　隣国ラトルグの権力争いも
　　サイドストーリーで描かれます
　　全体的に知略は薄めで、
　　謀略の方が作者に合っているのでしょう
　　そういう系統だと思って読んでみると
　　面白いですよ！
・キャラ
　　【クロム】は主人公の青年
　　口がよく回り会議の主導権を握る軍師
　　ただ武の方も強く隙が無い
　　【リュリュ】は妹
　　常に何かを食べている
　　その存在には秘密があるみたい
　　【ユースティナ】は皇女
　　民を考えた理想的な国家を夢みている
　　【フィフニス】は軍属の女の子
　　素直な性格は危うさもあるけど
　　それが役に立つことも
　　【レイリン】はラトルグ国の姫
　　清純派な感じだけど意思は強そう
　　【コウソン】はレイリンの世話役
　　自分がレイリンの代わりに汚れ役をやろうとしている
　　【シュウバイ】はラトルグの宰相
　　姫の一人を操り女帝にしたてあげ、
　　自分が全ての実権を握ろうとするが・・・
・かけあい
　　クロムの過去エピが出てくるのですが
　　その師カウフマンとの出会いがあります
　　その頃のクロムは字が読めないらしく、
　　カウフマンがクロムを膝に乗せて本を読んであげました
　　『よいか、あーどれどれ・・・『人妻物語～今夫がいるんです～上』
　　　私は夫と連れ添い、いつの間にか２０年の月日を・・・』
　　・・・子供の絵本じゃNEEEEEE！


今日の辛口！

・バランス
　　敵が脳筋というのは
　　知略の醍醐味を薄れさせてしまうので
　　ややマイナス
　　でも敵国はそこから進歩しようとしている
　　最中なのである、という記述もあるので
　　一定の説得力はあるんだけどね～
　　そこら辺のバランスを今後どうするのか
　　見守っていきたいですね


以上、
会議が重要視されている？！
ファンタジー戦記作品でした！

クロス・エデン ８個星です！！

タイトル　：　クロス・エデン1 魔法王国ミシュリーヌ編(前)
賞種　　　：　―
出版　　　：　このライトノベルがすごい！文庫
著者　　　：　吉野 匠
イラスト　：　村上 ゆいち


今日のインプレダクションはコレ！
ＭＭＯＲＰＧ作品です！


評価は
★★★★★★★★☆☆
８個星です！！


変わったＮＰＣ

ＭＭＯＲＰＧで出会ったＮＰＣ王女
と仲良くなったが――
ＭＭＯＰＲＧモノ
それなりに良かった
現実と仮想どっちも事件が起きて
絡み合っていくのがポイント
主人公は正義感アリという珍しい
タイプでその分友達が悪い部分を
受け持っている造形
ゲーム部分はステータスよりも
プレイヤースキルが活きる感じかな


今日の甘口！

・流れ
　　ＭＭＯＰＲＧ《クロス・エデン》
　　これをプレイしていた少年は
　　王女の話し相手になる
　　特殊イベントをこなしていた
　　しかし敵国からの人質という設定の
　　王女は開戦を機に処刑されて
　　しまうらしい
　　この王女を救出しよう・・・という流れ
・テイスト
　　ゲーム内の出来事が
　　徐々にリアルの方に進出
　　してくるという感じのテイストです
　　王女はプログラムのはずなのに
　　妙に人間的だ、とか
　　リアルの方で魔法を使って
　　事件を起こす者が現れた、とか
　　ゲーム内外で何か不穏な
　　動きがあるらしいです
・キャラ
　　【浩介】は主人公の少年
　　割と正義感が強い
　　【瞬】は浩介の友達の少年
　　持つものを全て持った超人
　　だが極度のオタク
　　【セシル】はゲームのＮＰＣ（プログラム）
　　敵国の第三王女という設定
　　でも何だかプログラムっぽくなくて・・・？
　　【冴子】はクラスメイトの女の子
　　何だか浩介と因縁があるようですが・・・
・キャラ造形
　　キャラ造形は割と変わっているかも
　　主人公が斜に構えていたりとかの
　　子供っぽいカッコつけの性格ではなく、
　　瞬が不良グループに絡まれた
　　時にはクラス中が見てみぬ振りをする中
　　瞬に加勢すると言い出した、
　　という過去エピなのです
　　主人公に正義感があるのは珍しいですね


今日の辛口！

・全体
　　ゲーム部分がもっと手厚ければ
　　良かったなあと思いつつ、
　　まだ前半なので何とも言えないですかね～


以上、
NPCなのかそうじゃないのか・・・な？！
ＭＭＯＲＰＧ作品でした！

銃皇無尽のファフニール ５個星です！！

タイトル　：　銃皇無尽のファフニール1 ドラゴンズ・エデン
賞種　　　：　―
出版　　　：　講談社ラノベ文庫
著者　　　：　ツカサ
イラスト　：　梱枝 りこ 


今日のインプレダクションはコレ！
学園異能ラブコメモノです！


評価は
★★★★★☆☆☆☆☆
５個星です！！


変態兄さん

異能者を集めた学園島
そこはドラゴンを倒すための場所で――
学園異能ラブコメ
厳しいかな
女の園へ男一人とか
おいしいシーンいっぱいとか、
そういうお約束系をつめこんだものです
各種名称もそれっぽい名前をつけて
それっぽい異能が使えて
それっぽい人類の敵がいる、みたいな・・・


今日の甘口！

・流れ
　　異能の子を集めた学園島があります
　　普通は異能者は女しかいません
　　でも主人公であるあなたは男の異能者なのです～
　　さあ女だらけの学校に通いましょう・・・という流れ
・テイスト
　　異能部分は全てそれっぽく
　　作ってあるだけですので、
　　ラブコメ求めている人向けですかねぇ・・・
・キャラ
　　【悠】は主人公男
　　何だか特別な才能があるみたい
　　【深月】は悠の妹で生徒会長
　　ブラコンみたいだけどそんなに激しくない
　　【イリス】はクラスメイト
　　おバカ担当


今日の辛口！

・全体
　　冒頭終わってすぐに全裸の少女と
　　砂浜で出会いました～
　　とかいうシーンでがっくりきた
　　もうこんなのプロに書かせる
　　必要ないだろ～って思う


以上、
全てそれっぽい感じの・・・？！
学園異能ラブコメモノでした！

特別時限少女マミミ ８個星です！！

タイトル　：　特別時限少女マミミ
賞種　　　：　―
出版　　　：　スーパーダッシュ文庫
著者　　　：　斧名田 マニマニ
イラスト　：　wingheart


今日のインプレダクションはコレ！
学園エロコメ作品です！


評価は
★★★★★★★★☆☆
８個星です！！


ガッポガッポ稼いで

武器を取り出せる少女達
その少女達を映した番組の視聴率
アップをはかるが――
女だらけのエロコメ
それなりに良かった
バカをやっている中でも
意外に真面目なことも言ってた
のは良かったかも
理解したいと思ったことも
理解されたいと望んだこともない、
だからうまくいかない、みたいなね
視聴率については刺激に応えないと
いけない、みたいな流れで書かれてるけど
実際は刺激を追及しすぎて
つまらなくなったような気がする


今日の甘口！

・流れ
　　女の子の体から武器が取り出せます
　　そんな女の子は《特別時限少女》といいます
　　武器を取り出す時
　　女の子が快感でエロい光景が広がるので
　　それをウリにして金儲けしよう
　　と少女は考えた
　　でも着手してみると、
　　《特別時限少女》は事故で植物状態に
　　なり死亡するケースが多発しているという闇を知る
　　そんな中少女達を映す番組の
　　視聴率アップをはかる・・・という流れ
・テイスト
　　金持ちのヒッキー少女が
　　学園の中に入っていって
　　何故か分からないけど
　　友達が寄ってきて（しかも金目当てでなく）
　　残念な娘だけど微妙な活躍の場はあって
　　最終的にうまくいく
　　簡単に言うと都合の良い感じではありますｗ
　　ただオタクでヒッキーが
　　集団の中に入っていった時の
　　イタイ言動とか辛く苦しい心理描写とか
　　そういうのはありがちな作品と違って
　　割と書かれています
　　ありがちな作品だと卑屈でネガティヴな主人公
　　だけど何故か作中では常に精神的優位を
　　維持し続けるんですが、
　　本作では序盤～中盤辺りまで
　　精神的な優位性は無いですｗ
・キャラ
　　【マミミ】は主人公少女
　　お金が友達のヒキコモリ
　　極度のオタク
　　【夜長】はクール系美少女
　　【鹿ノ子】はぶりっ子系美少女
　　マミミ評価ではビッチ
　　【眠子】は巨乳妖艶美少女
　　【文】はボーイッシュ美少女
・表現方法
　　主人公少女のオタクな子
　　というのがまあ・・・
　　人と話す時の挙動不審っぷりとか
　　お金しか信用できないとか
　　身の程をわきまえずに高い要求を
　　してしまうとか
　　そんなしっくりくる表記がされて
　　いたのはそれなりに良かったのでは


今日の辛口！

・全体
　　お金が友達な性格だけど
　　人と接するうちに成長していく・・・
　　かに見えたけど、
　　やっぱり最後はそれが生み出す負の遺産は
　　ノータッチ、暗黙の制約で書けないか
　　ある程度読解力がある人が見ると
　　この物語って主人公が犯人作って
　　それを主人公が潰しちゃうという
　　悲しい物語だって気付いちゃうと思うなー


以上、
表現方法がところどころ良かった？！
学園エロコメ作品でした！

《番外編》ギンレイの【気ままにランキング！】９月号

ランキング企画９月号をお送りしたいと思います！
一ヶ月経過してまた１０個星作品も増えました
さぁ今月の順位はどう変わったのか～～？！

ランキングを発表したいと思います！！



　１位　：　ねじ巻き精霊戦記　天鏡のアルデラミン３（電撃文庫）

　　　　　　★　敵にも智将が現れ一筋縄ではいかなくなった戦場、
　　　　　　　　知略を扱いつつエンタメ性も高く仕上げた逸品！

　２位　：　偽神戦記２（スーパーダッシュ文庫）

　　　　　　★　戦場を変える主人公の知略、
　　　　　　　　そして圧倒的な世界観に引き込まれる逸品！

　３位　：　ねじ巻き精霊戦記　天鏡のアルデラミン２（電撃文庫）

　　　　　　★　戦記ものとして描く所をしっかり描き、
　　　　　　　　かつエンタメ性も高く仕上げた逸品！

　４位　：　代償のギルタオン（スーパーダッシュ文庫）

　　　　　　★　新人離れした筆力で驚かされた！
　　　　　　　　メッセージ性強し！

　５位　：　代償のギルタオン３（スーパーダッシュ文庫）

　　　　　　★　読み手に考えさせる描き方が光る！
　　　　　　　　過酷だけれども読みたくなる逸品！

　６位　：　偽神戦記（スーパーダッシュ文庫）

　　　　　　★　最近出てきたばかりだけど凄まじい描写！
　　　　　　　　世界観や設定の作りこみが凄い！

　７位　：　六花の勇者（スーパーダッシュ文庫）

　　　　　　★　提示の上手さは随一！
　　　　　　　　発想が光る！

　８位　：　ココロ・ドリップ（メディアワークス文庫）

　　　　　　★　やさしくてイイ話！
　　　　　　　　　胸が温かくなります！

　９位　：　ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン４（電撃文庫）

　　　　　　★　戦記でありながら前半に事件モノを入れた変り種！
　　　　　　　　海戦の幕開けです！

　10位　：　サマー・ランサー（メディアワークス文庫）

　　　　　　★　瑞々しい青春！
　　　　　　　　爽やかな部活！



今回の新出は
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン３（電撃文庫）
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン４（電撃文庫）
偽神戦記２（スーパーダッシュ文庫）
代償のギルタオン３（スーパーダッシュ文庫）
の４本でした！

上位陣についに入れ替わりがっ！
と思ったら元々上位陣だった作品の続巻ばかりだーっ！ｗ
今後の順位の動きも注目です！

サービス&バトラー ５個星です！！

タイトル　：　サービス&バトラー
賞種　　　：　第３回講談社ラノベ文庫新人賞・優秀賞
出版　　　：　講談社ラノベ文庫
著者　　　：　望月 唯一
イラスト　：　成沢 空


今日のインプレダクションはコレ！
学園ラブコメモノです！


評価は
★★★★★☆☆☆☆☆
５個星です！！


執事っつーより恋人

テニスの執事兼コーチとして
お嬢様を指導することになるが――
テニスの学園ラブコメ
厳しいかな
敵も主人公も性格的なところで
的確に興味を削いでくれて
読み終わるまで軽く苦行だった
改稿で性格とか色々イジったせいで
ぐちゃぐちゃになっちゃったのかも
ちょいちょい良いテーマも扱っているので
そこと不協和音起こさないように
仕上げれば良かったかも


今日の甘口！

・流れ
　　テニスで肘を壊して選手やめました
　　金持ち学校に特待生として
　　行っていたけど特待生じゃなくなり
　　学費を払う必要が出てきました
　　払えないので辞めます
　　すると、お嬢様に執事として拾ってもらえました
　　執事しながらテニス教えれば良いそうです
　　お嬢様達に楽しく指導しましょう・・・という流れ
・テイスト
　　主人公の会話に周囲が常に
　　翻弄されてくれて
　　優越感得られますよーという形
　　更に怒ればテニスの実力も凄くて、
　　という完全自己肯定ツールですね
・キャラ
　　【直哉】は主人公
　　エロ発言を堂々と繰り返すサル系男子
　　常に現実から目をそらしていないと
　　不安になってしまうタイプ
　　【陽菜】は直哉を雇ったお嬢様
　　直情系でしとやかとは反対っぽい
　　【芹葉】は陽菜のメイド
　　直哉によく翻弄される
　　【茉莉】は陽菜の作った第二テニス部のメンバー
　　ちびっ子
　　【翠】も第二テニス部のメンバー
　　真面目系
　　【珊瑚】は第一テニス部の新人
　　第二テニス部を廃部にするための敵役


今日の辛口！

・全体
　　最初の執事になる段階から
　　あー無茶苦茶だなあという感じ
　　今後どうなるんでしょうねーｗ


以上、
執事になっちゃった、な？！
学園ラブコメモノでした！

スターティング・オーヴァー ７個星です！！

タイトル　：　スターティング・オーヴァー
賞種　　　：　―
出版　　　：　メディアワークス文庫
著者　　　：　三秋 縋
イラスト　：　―


今日のインプレダクションはコレ！
不思議系モノです！


評価は
★★★★★★★☆☆☆
７個星です！！


おかえりー

人生やり直し
しかし主人公が歩んだ道は――
捻くれの不思議系
やや微妙かな
アメリカンな語り口にも見えるけど
単純にナルシストにも見える、
というやや困った語り口
色々『こう悟ったよ』という感じの
記述が多く、
捻くれへの共感を狙った流れかな


今日の甘口！

・流れ
　　２０歳になったら記憶を持ったまま
　　１０歳からやり直しになりました
　　でもやり直す前の自分で充分
　　幸せだったので、
　　全くやり直しで人生を変えず
　　前回と同じ人生を送ってやろうと思いました
　　でも記憶は曖昧に持ってきてしまい
　　完璧にはやり直せませんでした
　　恋人になるはずだった女子にフられ、
　　落ちぶれていく主人公・・・という流れ
・テイスト
　　人生やり直しのチャンスを
　　与えられたけど
　　やり直したくないよ、
　　という斜に構えた系かな
　　『僕がこれからする話は～』
　　『いやあ、他人の影響力ってのは、ばかにならないよ』
　　とか主人公が読み手に語りかける感じ
　　でちょっとアメリカンなテイスト
　　でもアメリカンにもなりきれてなくて
　　・・・まあ、平たく言えばうざい系の語り口かなｗ
・キャラ
　　【僕】は主人公
　　ややナルシストかも
　　【ツグミ】は主人公の
　　恋人になるはずだった女子
　　【トキワ】は主人公がなるはずだった
　　ツグミの彼氏というポジション
　　についた男子
　　どうやらやり直す前の主人公に
　　そっくりなようです
　　【ホノカ】は妹
　　活発で明るくなるはずだったのが
　　暗く静かな娘になっちゃったみたい


今日の辛口！

・全体
　　あとがきで自分は歪んでいるとか
　　幼稚かも、と書いていますが
　　まあ、その通りですねｗ
　　今はその幼稚性も売りに
　　なったりしますからねえ


以上、
人生やり直し、な？！
不思議系モノでした！

代償のギルタオン３ １０個星です！！

タイトル　：　代償のギルタオン３
賞種　　　：　―
出版　　　：　スーパーダッシュ文庫
著者　　　：　神高 槍矢
イラスト　：　おぐち


今日のインプレダクションはコレ！
ロボットファンタジー作品です！


評価は
★★★★★★★★★★
１０個星です！！


絶望と成長と、希望

安全が得られる可能性が浮上
しかしそれは本当なのか――
過酷なロボットファンタジー
凄く良かった！
今回は作品としての密度が
再び濃くなって応援したくなる出来だった！
【それぞれの正義】がうまく描写され、
どれか一つに肩入れしすぎていないのが良い
こうした読み手に考えさせる余地を提供する形で
描ける作家がいるのは嬉しい
キャラの掛け合いも手慣れてきて楽しくなった
戦には狂気がつきもの
群集が狂気に染まるのも悲惨だった
でもその分作者が《人間》をきちんと描こうと
しているのが伝わってきた


今日の甘口！

・流れ
　　王族ながら軍の中将という男が
　　ライクを養子にしたいと言い始める
　　そして戦場にも駆けつけ、
　　ライクに話を持ちかけた
　　だがそれとは別に戦場に派遣
　　されてきた者がいた
　　国で最強を誇るギルタオンを操る者
　　そいつは自称・神で
　　ライクのいる町をテロリストごと
　　焼き払うと宣告する
　　ライクはテロリスト達と
　　成り行きで行動しているが
　　今回はどうするのか・・・という流れ
・テイスト
　　今巻で主張のぶつけ合いには
　　一定の終着点が見られる構成となっています
　　ただ姉弟で幸せになりたいだけ、
　　軍として早く戦争を終わらせたいだけ、
　　戦争で出る悲しみをこれ以上出したくないだけ、
　　要はそれぞれの正義のぶつかり合いです
　　本作の特筆すべき点は
　　どれを良しとしていないところですね
　　どの意見にも肩入れしすぎない大人な表現です
　　業界に溢れかえっている商品では
　　理解もしようとせずただ正義をけなしたり
　　身近な人を守りたいだけという意見だけを正しいとしたり
　　そういった思考停止なものが目立ちます
　　そういう『ターゲットが中高生だから頭使わない
　　ものでいいだろう』というのは間違いだと思います
　　本来的に小説であるのならば本作のように
　　読み手に考えさせるぐらい大人な
　　ものであって良いと思うのです！
・キャラ
　　◆　主人公サイド　◆
　　【ライク】は主人公少年
　　貧しい中で割とたくましく生きてきた
　　けどちょっと流される部分もある
　　【ヤシャナ】はライクの姉
　　ライクよりも更にたくましいタイプ
　　軽口で大人との駆け引きも
　　引けを取らない
　　◆　軍サイド　◆
　　【ガラハルド】は王族にして中将
　　言動は厳しめの頼れる父親だけど
　　ライクを養子にしたいという真意は・・・？
　　【グラカリム】はギルタオン操者の一人
　　陽気で好戦的だけど
　　一部軍人らしくなく命令より心情を優先することもある
　　【ディスカニオ】はギルタオン操者の一人
　　自称・神
　　額に第三の目があったりギルタオンの代償で
　　人外の体になりつつある
　　【シャリオ】は容赦の無い中佐
　　自分にとっての勝利のためなら
　　手段を選ばない
　　◆　革命組織サイド　◆
　　【シャミー】は組織のトップ
　　普段は普通の女の子で
　　ちょっとおっとりしているところもある
　　でも交渉ごとではトップらしくハッタリも使う
　　【リーン】は少年っぽい少女
　　ライクと行動を共にすることが多い
・グラカリムのおふざけ
　　『ホーリィ、時間よ。起きなさい。遅れちゃうわよ。ねぇ、起きてよ、ホーリィ
　　　ホーリィったら、いったいいつまで寝てる気なの！』
　　『誰がホーリィだ。ぶち殺すぞグラカリム』
　　これはグラカリム（男）が部下のホーリット（男）を
　　起こしにやってきた時の会話ですｗ
　　陽気なグラカリムはオカマの真似だってやっちゃいます


今日の辛口！

・特に無し！
　　突っ込みたいところは特に無し！
　　次巻が気になる！


以上、
それぞれの正義のぶつかり合いがある？！
ロボットファンタジー作品でした！

《新人賞情報》 第11回MF文庫J新人賞第一期 １次通過者発表！

第11回MF文庫Jライトノベル新人賞第一期予備審査　１次選考通過者が発表されました！

★　大賞ページリンク　★

9/12に発表されていたようなので掲載～

応募された方、どうだったでしょうか？

通過された方おめでとうございます！

締切　　　：　2014年6月末日

応募総数　：　３７３作品

一次通過　：　１１３作品

通過したのは全体の３０％くらいでしょうか～