2014年7月31日木曜日

《番外編》2014年 7月を振り返ります!!

さて既に酷暑となってきました
台風は平年7.7個? が今年は既に12個発生しているそーです!
暑いと何もする気が起こりませんよね
そんな時は涼しい所で読書ですw
夏休みだぜヒャッハー! な人もいると思いますが
皆さんいかがお過ごしでしょーか?

さてラノベ業界が変わってきました!
が先月感じたことですが
今のラノベ業界に感じることの暗黒面にも
触れておこうかと思います

現状、業界では
前向きや上向きな作品を殆ど見かけません
後ろ向きや下向きな作品が大半を占めるのが
気にかかります
これは多くの読者層が
  主人公が自分より優れているとイヤ(自分の矮小さを認識させられるから)
という劣等感を持っているからでしょう

能動的に渦中に飛び込んでいく主人公はカッコイイですが、
それに比べて『自分は他人のことなどどうでも良い
自己中心的で器の小さい人間』であると
はっきり認識することになります
劣等感が刺激され、主人公が妬ましくなってしまうのです
だから受動的な『巻き込まれ型』が好まれます
勝手にヒロインやサブキャラが絡んできて無理矢理
事件に引きずり込まれるのが『巻き込まれ型』です
本来的には待っているだけじゃ何も起こらないのがフツーなんですが
そこは嘘で固めて欲しいのでしょう

その他無償の愛や優しさ、人情などを見せると、
それに比べて『自分は利害関係でしか人付き合いが無い
自己中心的で器の小さい人間』であると認識し、
こういったものも劣等感が刺激され主人公に僻みを向けてしまうようですw
いやーメンドクサイなホントw

主人公に普通、没個性、捻くれ、斜に構える、おバカ
といったものが多いのは
劣等感が刺激されないからなのでしょーね
人格者や頭の良い主人公を出されると
強烈に劣等感を刺激され、何とか主人公を貶めようと
ヒステリックな反応を起こしますw

これは、『人は自分より優れた者を認めることができない』
という人間特性から来ているものです

自分より優れた人を尊敬するのは難しいかもしれません
でも僻んだり嫉妬したりしないようにするだけでも
だいぶ世界が変わるのではないでしょーか
僻みや嫉妬心が湧いた時、
『ああこれは人間特性から来たものかも?』
と冷静に捉えられるようになれば
ある程度気持ちをコントロールできるようになります
そういった気持ち自体が湧くのは仕方の無いことです、人間特性ですから
うまくその気持ちと付き合っていけるようになれば、良いのです


ついつい文章が長くなってしまったので
今月の10個星は機会を見て別途書こうと思います!
ではでは!


2014年7月30日水曜日

金星で待っている  6個星です!!

タイトル : 金星で待っている
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 高村 透
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
日常系モノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


あの頃

飛行機の中で青年は、
以前劇団の主宰者だった事や
そこで出会った人達の事を思い出す――
思い出で語られる青春ストーリー
惜しい感じ
良いなと思う言葉もあったんだけど、
全部が思い出話とする必要があったのかな、
とか題名は違う方が良かったんじゃないかな、
とか割とヘビーな死が必要だったのか、とか・・・
疑問が沢山残る感じ
金星で待っている所までの
道順を整備して欲しかったかなと
道を躓かないで歩けたのはかなり後半に
なってからだった


今日の甘口!

・流れ
  小さな劇団の主宰者は
  途中で入ってきた自称金星人
  の事を思い出す
  そしてそれまでの劇団での
  成功や失敗、苦労なども・・・という流れ
・テイスト
  作者が劇団での演出などを
  経験していたようで、
  そういった知識が活きているのかも?
  という感じの何気無い
  劇団での日常が綴られています
  でもほのぼの系ではないです
  女にだらしがない男の話とか、
  遅刻が当たり前の稽古とか
  ・・・まあ、気楽には読めるかなと
・キャラ
  【僕】は劇団ストロベリー・フィールド主宰者
  普通な感じ
  途中で一応名前も出てきます・・・【森下大樹】だそうです
  【シーナ】は劇団の主柱的な存在
  芝居に関しては意識が高く、
  でも女関係はだらしがないという
  アーティスト気質な感じ
  【金星人】は自称金星人
  結構気が強く、後から劇団に入ってきたけど
  皆の意識の低さに激怒して集合かけたりします
  その他劇団の人が色々って感じ
・気に入った言葉
  『世の中、考えたら考えた分だけ辛くなるでしょう。
   だから何も考えない方が幸せになれるのよ。
   誰だって幸せになりたいから、頭を使わない』


今日の辛口!

・構成
  金星人って結局なに?
  と忘れてしまうほど
  金星人が劇団に入ってくるまでが長い
  まずそこを早めに描く構成に
  した方が良かったと思われます


以上、
劇団での成功や失敗、な?!
日常系モノでした!


2014年7月29日火曜日

うちの居候が世界を掌握している!  5個星です!!

タイトル : うちの居候が世界を掌握している!
賞種   : 第4回GA文庫大賞前期・優秀賞
出版   : GA文庫
著者   : 七条剛
イラスト : 希望つばめ


今日のインプレダクションはコレ!
日常系モノです!


評価は
★★★★★☆☆☆☆☆
5個星です!!


ぼくの居場所

ハイスペック中学生が
可愛い三姉妹の住む家に居候して――
盛りまくりの日常系
厳しいかな
家族を求めるお話なんだけど、
アットホームさは感じられなかった
開始から超展開でずっと
おいてけぼりな居候生活


今日の甘口!

・流れ
  金も地位も中学生で手に入れた
  でも家族の温もりは手に入らなかった
  年頃の女の子三姉妹が
  いる家庭に居候させてもらお~
  そこで家族を感じよう~・・・というモノ
・テイスト
  主人公権限で衛星から
  レーザー照射したりマイクロ派照射したりとか、
  物置だった離れを一日で超豪華
  設備に改装したりとか
  まあ大盛りです
  僕ちょー金持ちでこわいもんなしwwwwwwww
  みたいな気分を味わいたい人はどうぞw
・キャラ
  【真哉】は11歳で博士号取得、
  12歳で起業、14歳で億万長者だそーです
  【桃花】は三姉妹の長女
  天然系で直情的
  【莉子】は次女
  平坦な喋り
  【優希】は三女
  マイペースな甘えん坊
  三姉妹達と楽しい楽しい日常生活を送ります


今日の辛口!

・展開
  君のお父さんの望遠鏡が
  倉庫から出てきた
  これを渡すには条件がある
  うちに一ヶ月間居候してもらう
  必要がある
  これは君のお父さんの遺言でもある
  ・・・なんだよその超展開!
・常識
  いくらチンピラが相手でも
  勝手にスマホで他人を撮影
  するのはいけません
  もう少し常識を考えましょう
  主人公が平気でそういうことをする=作者もそう
  なんじゃないんですか?


以上、
僕ちょー金持ち、な?!
日常系モノでした!


2014年7月28日月曜日

バカとテストと召喚獣  9個星です!!

タイトル : バカとテストと召喚獣
賞種   : ―
出版   : ファミ通文庫
著者   : 井上 堅二
イラスト : 葉賀 ユイ


今日のインプレダクションはコレ!
学園コメディ作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


僕らの卓袱台が

成績不良の集まったクラスが
召喚獣を使用した戦いで
成績上位クラス打倒を目指す――
成績不良達の下克上学園コメディ
凄く面白かった!
おバカキャラの活き活きとした
コメディが見どころ
頭をカラッポにして楽しむことができます
主人公が包丁持って未遂事件を
起こしてもすんなり話が流れていくとか
ちょっとリミットが外れている気もするかなw
召喚獣がデフォルメキャラというのは
ほのぼのしていて良いのでは
『お前がグーを出さなかったらブチ殺す』
は傑作、ジャンケンにそんな心理戦があったとはw


今日の甘口!

・流れ
  テストの成績でクラス分けされる学園
  Aクラスが最上、Fクラスが最下位
  主人公達は見事Fクラスになりました
  Aクラスは個人用冷蔵庫とか個人用エアコンとか
  設備充実、Fクラスは廃屋みたいな教室
  という酷い落差
  Fクラスは設備の不満から打倒Aクラスに
  動き出します・・・という流れ
・テイスト
  ストーリーはさておき、
  コメディがかなり笑えたのでオススメ
  かなりアグレッシブなコメディです
  学園には召喚獣を使った戦いが
  あって、クラス対抗戦ができます
  で、勝てば相手と設備が交換できますよ~
  という下克上ができます
  召喚獣はテストの点数で強さが決まるという
  ちょっと変わったシステム
  だから単純には下克上なんてできないので
  作戦で勝っていくという構造です
・キャラ
  【明久】は主人公
  かなりのおバカ
  【雄二】はFクラス代表
  成績不良だけどキレ者
  【美波】はどやし系娘
  女の子からモテるようで・・・
  【秀吉】は男の娘
  明久は頻繁に惑わされます
  【瑞希】は清純派美少女
  体調不良で試験を棒に振ったためFクラス
  だけど実力はAクラスとか
・バカ度
  とある作戦中明久は雄二に
  犠牲要員にされます
  作戦後勝利で雄二は皆から
  賛美されますが、
  その中に混じって明久は包丁持って
  雄二に切りかかったりします
  主人公が包丁持って犯罪未遂
  を行うとか凄いw
  バカの次元が違いますね、タガが外れてるw
・超心理戦!
  雄二のジャンケンは凄いです
  面倒事を明久に押し付けようと
  ジャンケンを持ちかけます
  普通のジャンケンでなく、心理戦ありでいこうと
  明久は意気込んで
  『わかった。それなら、僕はグーを出すよ』
  対する雄二は
  『そうか。それなら俺は――
   お前がグーを出さなかったらブチ殺す』
  ちょっ・・・なにその心理戦?!
  という事で明久はまんまと負けてしまいましたw


今日の辛口!

・ラブは不要
  これだけコメディに振り切っているので
  ラブ部分は要らなかったかな
  まーその部分も薄かったので良いんですけどw


以上、
かなりのおバカ、な?!
学園コメディ作品でした!


2014年7月27日日曜日

《新人賞情報》 第20回スニーカー大賞春 1次通過者発表!

第20回スニーカー大賞春 1次通過者が発表されました!

7/25に発表されていたみたいなので掲載~

応募された方、どうだったでしょうか?


締切   : 2014年5月1日
応募総数 : ???作品
一次通過 : 52作品


《新人賞情報》 第16回えんため大賞 2次通過者発表!

第16回エンターブレインえんため大賞小説部門 2次通過者が発表されました!
7/25に発表されていたようなので掲載~

応募された方、どうだったでしょうか?


締切   : 2014年4月末
応募総数 : 758作品
一次通過 : 203作品
二次通過 : 23作品

勝ち進んだのは全体のくらいでしょーかっ

次の結果は8月上旬だそーです!


《新人賞情報》 第4回講談社ラノベ文庫新人賞 3次通過者発表!

第4回講談社ラノベ文庫新人 3次通過者が発表されました!

7/25に発表されていたようなので掲載~

応募された方、どうだったでしょうか?


締切   : 2014年4月末
応募総数 : 298作品
一次通過 : 70作品
二次通過 : 17作品
三次通過 : 7作品

勝ち進んだのは全体の.3%くらいでしょーかっ


《新人賞情報》 第10回MF文庫J新人賞第四期 結果発表!

第10回MF文庫Jライトノベル新人賞第四期予備審査 結果が発表されました!

7/25に発表されていたので掲載~

応募された方、どうだったでしょうか?



締切   : 2013年3月末日
応募総数 : 423作品
一次通過 : 136作品
二次通過 : 36作品
三次通過 : 6作品
佳作   : 0作品

今期は佳作該当なしでした!


さよなら流星ガール  6個星です!!

タイトル : さよなら流星ガール
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 一二三スイ
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
青春ドラマモノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


空を見上げてください

重い病気を持った彼女と
僕は幼馴染で――
幼馴染との青春ドラマ
普通かな
王道、だと思います
ただそれ以上の何かがあるかというと・・・うーん
アツイ母親は結構良かったかな


今日の甘口!

・流れ
  生まれた日付が同じ幼馴染の女の子
  彼女は先天性の重い病気を持ち、
  早くから余命があとどれぐらい、と
  告げられていた
  しかしそれをことごとく乗り越え、
  成長していく
  そんな彼女との高校までの記録・・・という流れ
  一部ファンタジーが入っており、
  二次大戦後のIF物語です
  北海道を半分に分ける壁があり、
  半分は占領されてしまった、という設定になってます
  ただその壁がどうこう、という
  ことはあまり関係ありません
  幼馴染は宇宙関係に興味を持ち、
  二人で星を見に行ったりとかします
・テイスト
  言うなれば全編過去エピという形式
  小学校入る前から高校までの
  記録がずっと綴られています
  儚い彼女との精一杯の青春ですね
  テレビドラマとかのイメージかな
  切ない系のテイストです
・キャラ
  【悠】は普通男子
  【茉莉】は幼馴染女子
  重い病気を抱えている
  大人と子供の混ぜ合わさった感じ
  【明人】はノリの良い男子
  茉莉と同じ病院に入院していたことで知り合う
・気に入った言葉
  『最初から綺麗事で固めてほしければ、そう言うべきなんです』


今日の辛口!

・設定
  ヒロインが重い病気で何度も命を
  落としそうになる、という割とある設定なので
  あまり似たような設定のストーリーを
  見た事が無ければ楽しめるんじゃないかな
  重い病気という設定は同情や涙を
  誘いやすいという仕組みを
  作者が分かって使っているんだとすると
  うーんと複雑な気分になってしまうし、どーなんでしょね
  あとがきを見ると、作者が
  病院通いしていた経験アリとのことですが


以上、
儚い彼女との?!
青春ドラマモノでした!


2014年7月26日土曜日

送り屋  6個星です!!

タイトル : 送り屋 ―死者を送る優しく不器用な人たち―
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 御堂彰彦
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
非日常ドラマモノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


全て皆のおかげだ

霊が視える者達が集まった会社
そこでは霊と会話し事件が
事故なのか自殺なのかなどを調べていて――
霊と家族や友人などのドラマ
微妙かな
主人公のダメダメ加減が
どうにかならないのかとw
ドラマ部分よりも主人公の成長モノ
としての側面が強い
回収されるのかと思った話が
最後まで回収されずあれ? な感じで
送り屋として見るとやや雑な作り


今日の甘口!

・流れ
  行定事故調査事務所
  そこは霊が見える者達が集まり、
  警察や保険会社から依頼を受けて
  ある調査を行うところ
  亡くなった人の本当の死因や、
  未練があればそれはどんな未練なのか
  未練の解決を図る過程で
  死者の抱えていたドラマに触れる・・・という流れ
・テイスト
  主人公はどうも人生経験上
  他人と深く関われないらしいです
  かつ事務所の新人で不慣れも手伝って
  失敗ばかり
  重要なところも先輩が解決するので
  ちょっとダメダメなところが目立つ主人公
  ドラマ部分はまず主人公が直感で
  霊と共に行動し、失敗
  その後先輩の助言を受けたり力を貸してもらったり、
  という感じです
  内容的にちょっと薄っぺらいので
  先輩上司などの社畜が喜びそうな言葉
  や行動を楽しめる人向けかな
・キャラ
  【託実】は二十歳男性
  霊が視える体質で不遇の幼少期を過ごし、
  処世術で他人と深く関わらないようになった
  【美咲】は託実の上司、女性
  言葉はきついが優しさも
  その他事務所では先輩や所長が
  社会人の心得とか教えてくれます
  調査で出会う人達は何かしら
  未練がありますが、
  死ぬ際の心配事を抱えています
  自分の死に哀しんでくれたのか、とか
  結婚するはずだった相手はどうなった、とか
・描写
  特殊なお仕事であると同時に
  社会人の一般的な心得みたいな
  ことも教えてくれますw
  『ほうれんそう』って知ってる? みたいな
  うーんなんだろうこの書き口はw
  そして最初の調査で出会った霊の娘は
  自分の葬式に連れてってとシュールな構図


今日の辛口!

・構成
  先輩の仕事ぶりに疑問を持ち
  独断で動いた若者が必ず失敗する
  だから先輩上司は正しい、
  という構図は社畜が思わず嬉しさで飛びつきそうですが、
  送り屋というエンタメをさしおいてまで
  描きたいことだったのでしょーか
  結局本作を分解してみれば、
  先輩上司は正しい、と主張したいために
  若者を失敗させる、という結果が先にありきで
  話の流れが変になってます
  ドラマ部分も薄っぺらく響いてくるものが無いので、
  もう少し構成を頑張って欲しいところ


以上、
『ほうれんそう』って知ってる? な?!
非日常ドラマモノでした!


2014年7月25日金曜日

《新人賞情報》 第27回ファンタジア大賞 受賞作発表!

第27回ファンタジア大賞 受賞作が発表されました!
7/22に発表されていたようなので掲載~

応募された方、どうだったでしょうか?


締切   : 2014年2月末
応募総数 : 771作品
一次通過 : 116作品
二次通過 : 11作品
三次通過 : 5作品
受賞作 : 4作品

惜しくも一本だけ落ちたみたいですね。。。
受賞された方、おめでとうございます!


とある飛空士への追憶  10個星です!!

タイトル : とある飛空士への追憶
賞種   : ―
出版   : ガガガ文庫
著者   : 犬村 小六
イラスト : 森沢 晴行


今日のインプレダクションはコレ!
スカイファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


決して忘れない

重大な任務を任された飛空士
敵の包囲網を突破できるのか――
特殊任務のスカイファンタジー
大満足でした!
ストーリーが動き出すのは遅いですが、
その分これでもかと入念に
過去エピや国、風土が描き込まれ
重厚に背景が構築されていきます
主人公とヒロインのたどたどしい
やり取りとかも良いですね
そして強力なライバル、
死力を尽くしての空戦がアツい!


今日の甘口!

・流れ
  傭兵のような飛行機乗り
  だけど正規兵達を抜いて一番の乗り手
  そんな青年に一つの作戦が託される
  次期皇妃を乗せて最新鋭機で
  敵の警戒網を潜り抜けろというもの
  でも計画が相手に筒抜けで、
  そんな中無事に行けるか・・・という流れ
・テイスト
  敵国で天ツ上という国や
  『真電』という飛行機とか凄く日本的な
  国が出てきますw
  一本の明確な目標があって
  それに向かって行くというものだけど、
  主人公やヒロインの過去エピが
  物凄く熱心に描かれ
  国や風土なども入念です
  強力な筆力によって描かれた世界を
  存分に楽しむ事ができるでしょう
・キャラ
  【シャルル】は孤児になり神父に育てられた
  そして飛空士になった
  生まれが敵国とのハーフのため
  幼い頃からずっと差別され続けた
  しかし実直に育つ事ができ不条理にも
  耐性が高い様子
  【ファナ】は次期皇妃で美しすぎる
  幼い頃から政略結婚のための道具として
  育てられ、やがて自分を
  遠くから見詰めるようになり感情を失った
・描写
  冒頭から暫くはとても重厚に
  書き綴った過去エピや国や風土
  筆力が非常に高いです


今日の辛口!

・説明が長い
  一つ一つの説明が長すぎるかな
  皇妃予定の娘が美しすぎるという話だけで
  4ページぐらい使っている
  もう少しコンパクトな方が良いかも


以上、
警戒網を潜り抜けろ、な?!
スカイファンタジー作品でした!


2014年7月24日木曜日

吹き溜まりのノイジーボーイズ  7個星です!!

タイトル : 吹き溜まりのノイジーボーイズ
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 天沢夏月
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
学園青春モノです!


評価は
★★★★★★★☆☆☆
7個星です!!


ボーイズ・ビー・ノイジー!

不良達に音楽を教え、
文化祭での演奏を目指すが――
ヤンキーと音楽の学園青春モノ
何とも惜しい感じ
1巻に纏める物量じゃないのを
押し込めている感じで
常に急ぎ足になっていた
安定するのは終盤になってからで、
イイ話もちらほらあるんだけど
構成のマイナス面がちょっと大きい
行間も想像で補いペースを落として
読むと鮮やかな色彩でノイジーボーイズ
達が動き出すだろう


今日の甘口!

・流れ
  不良達がたむろする吹き溜まり
  そんな所で吹奏楽をやりたい
  というヤンキー達がいた
  教師に連れられやってきた少女は
  音楽を教えてくれと頼まれる
  少女は一度逃げ出すが、
  ヤンキー達の演奏を聴いて心を打たれた
  そしてヤンキー達に教えながら
  文化祭での演奏を目指す・・・という流れ
・テイスト
  ヤンキー達が何かやろう!
  という系統ですが
  最初から割と協力的です
  ヤンキーらしさはかなり控え目、ラノベだからかな
  仲間集めて文化祭で演奏、
  という王道ですが
  仲間集めにかなりの期間がかかります
  そのために各シーンはかなり
  駆け足になっているので
  なかなか物語りに入り込みにくいかも
・キャラ
  【亜希】は音楽好きの女の子
  積極的で真っ直ぐ
  フルート担当
  【夏目】はドラム担当
  気まぐれ猫風で亜希とイイ感じに
  【伊庭】は昔夏目とバンド組んでたらしい
  でも因縁があるようで・・・
  その他チャラ男やドライやヒッキーやら
  沢山出てきます


今日の辛口!

・話の転がし方
  物語の起動条件がいきなりな
  挑戦状で困った
  いきなりキャラが登場して
  一ヶ月でこれを演奏してみせろ!
  だもんなぁ・・・w
  もう少し説得力が欲しい


以上、
ヤンキー音楽、な?!
学園青春モノでした!


2014年7月23日水曜日

ロゥド・オブ・デュラハン2  10個星です!!

タイトル : ロゥド・オブ・デュラハン2 不死の都と守護精霊
賞種   : ―
出版   : このライトノベルがすごい! 文庫
著者   : 紫藤 ケイ
イラスト : 雨沼


今日のインプレダクションはコレ!
ダークファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★★★
10個星です!!


悲しみの集約、乗り越えて

不死の都では姫が戦い続け、
都の外では姫の思いを守り続ける
少年がいて――
重厚なダークファンタジー
物凄く良かった!
巧みな状況設定で哀しみを
背負いながら意志を貫くキャラ達
が熱く描き込まれているのが見どころ
1巻よりも肩の力が抜け、
若干読みやすさも出てきた
悲劇は心を打ち砕く
でもその中で強さや優しさが
生み出されるのだろう
ダークだからこそできる表現が詰まった一冊!


今日の甘口!

・流れ
  前巻で『絶望すると死ぬ』呪いを
  受けたアルフォンス
  この呪いを解くための鍵を
  探し、とある都を訪れる
  しかし都を守る砦の前に
  少年が陣取り、現状を教えてくれた
  都は不死の儀式が暴走し、
  民が不死の怪物となって跋扈している
  不死の怪物達を鎮めるため
  リィゼが都へと向かうが、
  都に進軍してきた帝国軍も現れ・・・という流れ
・テイスト
  状況設定の作り込みが巧く、
  何かを背負いながら戦う
  キャラ達の姿に引き込まれる
  そして何かを背負いながら、
  最善の手段を取る事ができず
  最悪な中からマシな手段を取るしかない
  という葛藤もよく描き込まれて
  いて良いですね
  ダークだからこそできる表現、
  という気がします!
  重厚に組み上げられた物語を読みたい人にオススメ!
・キャラ
  【リィゼロット】は精霊デュラハン
  茫洋として儚い感じ
  デュラハンになる過程で多くの罪を犯し
  それを背負っている
  【アルフォンス】は傭兵
  傭兵にしては色々と割り切った感じではない
  【テオ】は精霊スプリガン
  都を守る砦の兵士だったが、
  都が不死者で溢れかえった時に
  精霊になり、甲冑を着た巨人になれるようになった
  【ベルンハルト】は帝国軍の司令官
  何か企みを持っているようですが・・・


今日の辛口!

・全体
  1巻目でも作り込みは巧かったが
  今巻では更に慣れが加わり、
  肩の力が抜けて良い感じに仕上がっている
  欠点があるとすれば、
  往年のライトノベルというところかな
  新しさも加えられればもっと良いんだけど


以上、
何かを背負いながら戦う?!
ダークファンタジー作品でした!


2014年7月22日火曜日

人間の分際で悩むな  8個星です!!

タイトル : 人間の分際で悩むな 超能力者に放課後を捧ぐ
賞種   : ―
出版   : MF文庫J
著者   : タカハシヨウ
イラスト : 竜宮ツカサ


今日のインプレダクションはコレ!
学園コメディ+青春作品です!


評価は
★★★★★★★★☆☆
8個星です!!


誤解を解く!

始まった学園生活
自称超能力者集団に捕まり――
学園ラブコメ的に始まり、
途中で青春モノに変わる変則式
結構楽しめた!
迷惑な自称超能力者達と
険悪な雰囲気になっていく過程は
あまり楽しいものではないが、
それらの裏側が分かっていくと
結構青春している
誤解が生じると当事者同士では
なかなか解決は難しい
こじれた関係の修復に挑む一冊


今日の甘口!

・流れ
  学園生活開始、
  しかし振り回し系美少女に
  捕まって自称超能力集団に
  加入させられそうになる
  主人公は何とか加入せず
  逃げようとするけど・・・という流れ
・テイスト
  冒頭から暫くは『あー学園ラブコメか』
  という軽い失望みたいな念が湧きますが、
  コメ部分は結構面白いです
  そこで、コメディとして読む分には良いか
  という感じになります・・・が、
  暫くするとコメディがなくなります
  ラブもありません
  おや・・・何だかシリアスだぞ?
  しかもよく見てみればこれは青春だ!
  という構成で、読み口が途中で変わるタイプです
  自称超能力集団は一見ただの迷惑集団
  だけど実は主人公のために仕方なく
  嫌われる振る舞いをしているだけで・・・とか
  MFらしからぬまともな感じで、
  題名と表紙からは想像し辛いですが
  割とオススメできる作品ですよ
・キャラ
  【祥】は主人公
  普通系で平穏に過ごしたいタイプ
  以前はテニスをやっていたようだけど
  現在はやめちゃっています
  【かさね】は自称超能力者の女の子
  美少女だけど痛々しく見える
  でも他人の悩みの助けになりたい
  と思っている娘
  【香】は祥の双子の弟
  少し我が強い面あり
  テニスや他の面でも兄弟間で
  確執があるようですが・・・
・ふかイイ言葉!
  かさねが率いる集団の中には
  わがままな中学生女子もいるのですが、
  高校生の祥を『部下とか弟みたいなもの』
  と言ってきます
  主人公はムッとするのですが
  『俺は年上だぞ?』
  『お兄ちゃんでもいいっ、どっちも下僕って意味でしょ?』
  お兄ちゃん=下僕・・・
  何だか妹キャラに魅せられる読者
  の事を想像してしまい、深い言葉だなーなどと思ってしまいましたw


今日の辛口!

・全体
  祥が頑なに拒否するけど
  かさね達が執拗に関わってくる、
  そして雰囲気が険悪に・・・というのが
  ちょっと険悪になり過ぎていて
  ライトじゃないなーと思う部分もあったかな


以上、
どっちも下僕って意味でしょ? な?!
学園コメディ+青春作品でした!


2014年7月21日月曜日

第6回HJ文庫大賞 まとめます!

読了しましたので、まとめま~す!



第6HJ文庫大賞
応募総数:499作品

◆――――――――――――――――――――――――――――――――◆
★★★★★★★★   大賞   魔王と俺と不死姫の指輪
★★★★★★★★★  金賞   サムライブラッド 〜天守無双〜
★★★★★★★★   銀賞   アヌヴィス! こうして俺は最…
★★★★★★★★★       紅鋼の精霊操者
★★★★★★★★★  奨励賞  俺と彼女のラブコメが全力で…
★★★★★★★         もえぶたに告ぐ
(注1)            インテリぶる推理少女とハメ…◆――――――――――――――――――――――――――――――――◆
(注1:性描写が過度と判断したため当方では未掲載としました)




ギンレイの【振り返りま賞!】

既に2年前の賞となりますが、

かなり粒揃いです!

1作品だけヒドイ! のもありますが、まぁ・・・w
あまりにもヒドイのでそれは感想未掲載です

大賞と奨励賞を同時受賞というような
特異な状況も生まれています
総じて作者のレベルが高いような気がしますね



【選評スコープ!】

総評を見てみると、
レベルが高く、バラエティに富んでいた、
個性に強い物語が揃った、
といった感じでした!


この時の賞は2011年後半に開催し、
2012年の2月の終わりに受賞作決定
という運びになっています
学ラブ隆盛期の終わりの方とはいえ
まだまだ勢力が強い時期、
この時期によくこれだけまともな選考が
できたな~と感心します!
殆どのレーベルは物語などどうでもいい、ヒロインが萌えっ娘ならそれでいい
みたいな選考しかしていない暗黒期なんですよ!
HJ編集部には目利きがいるのかもしれませんね

こうして受賞作を見直してみると、
ラブコメ自体は採用しつつ、
まともな作品も発掘しようという
バランスの取れた選考がされているとうかがえます
今年もバランスのとれた流れで
来てくれていると良いのですが、
はてさてどうなっているか・・・!


ノーブルチルドレンの残酷  6個星です!!

タイトル : ノーブルチルドレンの残酷
賞種   : ―
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 綾崎 隼
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
恋愛小説モノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


勝手に言ってろ

名家の息子、敵対名家の娘
現代のロミオとジュリエットとなり――
面倒臭い同士の恋愛小説
イマイチかな
キャラ造形が濃すぎて電撃文庫の
テイストに思える
比較的女性目線多めの恋愛
変な部活作ってお悩み相談受けて
解決という事で骨格は学園ラブコメ
ロミオとジュリエットは幸せだったか?
続きによって考えさせられるのかもしれない


今日の甘口!

・流れ
  名家の息子は睡眠を求め、
  高校に演劇部を作り実際は活動せず
  部室だけもらったらベッドを
  持ち込んで睡眠を貪ろうとしていた
  しかし部の認可をもらおうとした時
  部室が欲しいと言ってきたグループが
  もう一つあった
  そちらは敵対する名家の令嬢が率いていて
  何でも悩みの相談を受け付ける保健部
  を立ち上げたいと言う
  そして部室を求め両者が対立する・・・という流れ
・テイスト
  最初犬猿の仲の男女が
  関わり合う内に・・・という構造の恋愛
  男の方がなかなかその気にならない
  という形が好きなら楽しめそう
  事件が起こって解決という流れは
  ミステリ要素は薄いので期待しない方が良いです
・キャラ
  【吐季】はドライ系男子
  頑張らないけど閃きで結果を残すタイプ
  【緑葉】は振り回し系女子
  思った事を口にし、思った通りに行動
  しないと気が済まないタイプ
  二人は家同士が敵対していて、
  本人達も出会って最初は最悪の印象です


今日の辛口!

・全体
  最初の方は
  騙され役を配置して騙しました、
  はい俺らの勝ちーという構図が
  あまり面白いと感じられない
  権力を惜しげもなく使う事件解決は
  ある意味変わっているかも


以上、
犬猿の仲の男女が、な?!
恋愛小説モノでした!


2014年7月20日日曜日

パントロジスト  6個星です!!

タイトル : パントロジスト〈上〉三枝ジョーの不思議事件ファイル
賞種   : 第17回電撃小説大賞・2次選考作
出版   : メディアワークス文庫
著者   : 樹 のえる
イラスト : ―


今日のインプレダクションはコレ!
何でも屋モノです!


評価は
★★★★★★☆☆☆☆
6個星です!!


また一歩、前に進んだな

パントロジスト・・・それは
超常現象などの解明依頼などに
対応する何でも屋で――
相談受付ドラマ
微妙かな
エイリアンに連れ去られそうになった
とかいう相談を現実的に解決する、
というようなコンセプトは悪くないと思います
ただ全体的に作りがまだ慣れていない感じ
デビュー作という事であれば
これからに期待


今日の甘口!

・流れ
  少女は家の事情で叔父の
  家に預けられる事になった
  行ってみると、怪しげな張り紙
  超常現象・心霊現象、何でもご相談下さい
  パントロジスト
  特殊な相談を受け付けるらしく、
  少女がその仕事についていく・・・という流れ
・テイスト
  相談があって、解決という
  オーソドックスな流れ
  特殊な相談があるけど、
  それをファンタジーのまま解決するのでなく
  現実的に説明が付くところまで
  落として解決するのが特徴かな
・キャラ
  【なつみ】は普通の女の子
  父が海外で怪我、母がそれを追って
  看病に行ってしまったため一人残された
  【ジョー】はパントロジストとして
  相談受付・対応する青年
  なつみの叔父であり、なつみを
  しばらくの間預かる事になる
  【ソフィー】はジョーの家にいる子
  人と話す事が難しい状況にいるようです
・引きの部分は良いのでは
  仕事の話がいきなり
  『エイリアンに連れ去られそうになった』とかw
  奇妙な事件のにおいがしますね


今日の辛口!

・全体
  あまり筆力はよくないので、
  読んでいて躓く事が多いかも
  でもデビュー作ということなので・・・


以上、
エイリアンだと?!
何でも屋モノでした!


2014年7月19日土曜日

Only Sense Online―オンリーセンス・オンライン―  8個星です!!

タイトル : Only Sense Online―オンリーセンス・オンライン―
賞種   : ―
出版   : 富士見ファンタジア文庫
著者   : アロハ 座長
イラスト : ゆきさん


今日のインプレダクションはコレ!
MMORPG作品です!


評価は
★★★★★★★★☆☆
8個星です!!


いい感じで楽しんでいるな

友達からもらった機材で
MMORPGを始めるが――
フルダイブ型MMORPG
それなりに面白かった
不遇な能力を集めてマイペースに楽しむ、
でもそれが役立つ時が
来て脚光を浴びる、
という都合の良いサクセスストーリー
だけど隙間産業を狙うというのは
確かにオンリーな感じ
ゲーム部分を手厚くしたのも良かった
ただ展開が『攻略組じゃない』
としながらそっち方面も手を付けようと
したので中途半端になっているかな
微妙スキルというのも理由付けが
弱いかもしれない


今日の甘口!

・流れ
  友達からMMORPGの機材を
  もらいました
  とりあえずやってみました
  皆と違うスキルを探して
  隙間産業を狙います
  ゴミスキルを集めて最初は
  周囲にさんざんな言われようだけど、
  やっていくと・・・という流れ
・テイスト
  『ソードアート・オンライン(電撃文庫)』
  は主人公無双な感じでしたが、
  本作は別方面を目指すぞ~というもの
  戦う人達を支える回復薬作りとか
  畑とか、サポートスキルとか・・・
  一風変わったMMOPRG系が読みたい
  という人向けかな
・キャラ
  【ユン】はリアルでは男
  でもゲーム世界では女キャラ
  他人と同じではつまらないという事で
  不人気スキルを集めます
  家事全般をこなすしっかり者でもあります
  【ミュウ】はユンの妹
  元気いっぱいな感じの廃ゲーマー
  【タク】は幼馴染男
  パーティーリーダーやったり
  割とリーダー気質の廃ゲーマー
  【マギ】はゲーム内で知り合った女性
  商人で色々とユンに教えてくれる
  ・・・掛け合いではユンが美少女扱いされる
  →俺は男だというやり取りが何回も出てきます
  それから何故かユンとタクのホモォ・・・な展開も
  何がしたいんだw


今日の辛口!

・全体
  マイペースな主人公だけど、
  単に人の話を聞かないメンドクサイ奴
  にも見えてしまうので、
  見方が分かれるかもしれないですね
  主人公は隙間産業を狙って
  マイペースでやっていくというのに、
  何故か周囲が狩に誘ってくれて強いモンスターを倒す
  とかいう部分を入れたのは不要
  結局主人公はソロプレイでやっていく
  志向なので周囲が引っ張ってくれないと
  何も楽しいイベントが起きない
  から全て巻き込まれ型ってことなんだろうけど・・・
  巻き込まれ型で、かつ次々ラッキーが起こります
  って展開が途中で飽きてしまう
  攻略組との関わりはばっさりカットし、
  モノ作って売るという商人系ストーリー
  に絞った方が良かったのでは


以上、
隙間産業な?!
MMORPG作品でした!


2014年7月18日金曜日

万能鑑定士Qの事件簿5  読みました!!

タイトル : 万能鑑定士Qの事件簿Ⅴ
賞種   : ―
出版   : 角川文庫
著者   : 松岡 圭祐
イラスト : ―


今日のインプレダクションは一般文芸のコレ!
事件簿作品です!


卒業証書

万能鑑定士のフランス旅行
しかしフォアグラを食べて倒れる
人が続出して――
海外での食の事件簿
まあまあだったかな
小笠原君がピンチの巻
しかもほぼ出番なし
今回は厳重管理されたフォアグラの
どの工程で不正な物が混入されたのか
を巡っての紆余曲折が見どころ
最後は扱う問題が危うくて言葉を選び選び
濁している感じに見えてしまったのが残念
犯人造形をもう少し別の形にできなかったのかな


今日の甘口!

・流れ
  万能鑑定士凜田莉子は
  フランスへ美術鑑賞目的で
  旅行に行きます
  しかし高校時代の恩師喜屋武先生が
  強引に付いてきてしまいます
  先生は過去の成績不良だった莉子
  をそのままで覚えていて、
  あんなにダメな子に旅行は危なっかしい!
  と思ったようです
  今では聡明な女性に変貌を遂げた
  莉子は先生の誤解を解けるのか・・・
  そして行った先ではなんと
  事件が発生、フォアグラを食べた人が
  何人も救急車で運ばれていきました
  徹底管理されている筈のフォアグラが何故・・・!
  どの工程で不正なものが
  紛れ込んだのかを追う・・・という流れ
・テイスト
  今回は食の真贋という題材ですかね
  レストラン、食材搬入業者、別の食材搬入業者・・・
  一体誰が、というのを追っていきます
  毒物をもったのか、それとも粗悪品を混ぜたのか
  とかも分かりません
  小笠原君は今回ほぼ出番無しです
  代わりに莉子と高校時代デートした男が
  出てきたり・・・小笠原君ピーンチ! な巻ですねw
・キャラ
  【ヤニク】はフォアグラ製造業者の工場長
  厳格な品質管理で最終チェックは全て自らが行う
  【アンジェリーク】はヤニクの娘
  父の補佐をしている
  【楚辺】は莉子の高校時代の同級生
  ドライブデートをした仲だとか
  現在はヤニクの所のフォアグラを扱うレストランの見習い
  【コタヴォ】はヤニクとは別のフォアグラ製造業者
  ヤニクの所のでは足りないので
  コタヴォのフォアグラも楚辺のレストランに納入する
・モナ・リザ
  映画でモナ・リザが出てくるんですが、
  今回フランスでルーヴル美術館へ行って
  莉子がモナ・リザを見てますね~
  そして『あれ? これって・・・』という感じになりますw
  それは今後関係してくるようですが


今日の辛口!

・気になる表現
  しつけのなっていない犬が出てきた時
  気になる表現がありました
  犬が警察に連れて行かれたら
  保健所送りになる・・・というようなものです
  フランスって日本レベルの遅れた
  ペット後進国なのかな?
  ペット先進国ってもっと保護が充実
  しているイメージがあるんだけど
  どうなんでしょーね
  それとも向こうの保健所は設備や待遇が
  しっかりしていて簡単には殺処分にしない
  ようになっているのかな


以上、
小笠原君ピーンチ! な?!
事件簿作品でした!


2014年7月17日木曜日

紅鋼の精霊操者  9個星です!!

タイトル : 紅鋼の精霊操者
賞種   : 第6回HJ文庫大賞・銀賞
出版   : HJ文庫
著者   : ハヤケン
イラスト : 凱


今日のインプレダクションはコレ!
ファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


自分が守れたもの

船で次の赴任先へ訪れると
そこでは反乱が起きていて――
異能系の基本を骨子とした造り
のファンタジー
結構面白かった!
王道から大きくはみ出す事は無いけど
自分色も出せている感じ
主人公が無双過ぎずボス相手では
一人では倒せないという
バランスの良い設定の組み方で、
全力を出し切るラストバトルのアツさが見どころ
ヒロインの葛藤やそれを乗り越える姿、
そしてオレっ娘だけど最後の最後に
見せる可愛さはなかなか
ちゃんと地に足がついたキャラ立ちです


今日の甘口!

・流れ
  銃兵や騎兵と共に
  魔法を扱う〈精霊操者〉というのが
  戦場で活躍する世界
  元精霊操者の主人公が
  次の任地へ赴くために蒸気船に乗る
  しかし着いた先では
  独立運動で反乱が起きていた
  着いた先で独立派に加担しなかった
  軍部隊を手伝い、鎮圧を助ける、という流れ
・テイスト
  無駄な萌えやエロ描写で釣る商品でないので
  まともな作品を読みたい人にオススメ!
  テイストは異能ファンタジーという感じ
  文章が読みやすく、
  それでいて設定の組み方も割と良く、
  終盤に向かっての盛り上げ方も良い感じ
  しかも憎しみの連鎖は哀しいっていう
  メッセージも入っていたり
  安定して楽しめるんじゃないかと思います
・キャラ
  主人公【リオス】はめんどくせぇ、が口癖
  でも目の前で起こる面倒事には首を突っ込むタイプ
  ヒロイン【フィリア】は一人称がオレっ娘
  勝気で素直、そしておバカ
  【アリエッタ】は巨乳で怖がり
  【ミレイユ】は美人で微妙に腹黒い
  敵役【キルマール】は快楽殺人の狂人
  でも腕は業界で三本の指に入るそうです
  リオスはもうちょい下で五本の指なら入るそうなw
・まともな作品!
  読みやすくて
  それでいて割と考えられた
  文章なのかなと
  設定の組み方も良い
  主人公が単なる無双でなく、
  敵のボスは主人公だけではまずもって
  倒せないという力関係です
  文明的な背景も昔魔法隆盛だったけど
  それが銃とかに取って変わられた、
  でも今限定的に魔法が日の目を浴びている、
  という感じでなかなか面白い
  この作品を拾い上げたHJ編集部は
  勇気があるし見る目もありますね
  発売年度はまだ学園ラブコメ隆盛期です!
  そんな中まともな作品を受賞させ、刊行する・・・
  それは凡庸な編集者ではできません
  凡庸な編集者は『商品として今売れるものを~』
  と定型的な考え方しかできないのですから!


今日の辛口!

・インパクト
  あともう少しインパクトがあれば
  突き抜けた作品になったかも!
  そういう意味では惜しいけど、
  ホントこの年度でよく頑張ったと思います!


以上、
オレっ娘がいる?!
ファンタジー作品でした!


2014年7月16日水曜日

軋む楽園の葬花少女  9個星です!!

タイトル : 軋む楽園の葬花少女
賞種   : ―
出版   : 電撃文庫
著者   : 鷹野 新
イラスト : せんむ


今日のインプレダクションはコレ!
ファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


ただいま

襲来する化物と迎え撃つ少女達
その戦いが、実は――
化物に抗うファンタジー
かなり満足できた!
日常の認識が逆転するのがポイントで、
そんな中分の悪い戦いに身を投じる
少女達や渦中に飛び込んでいく主人公の姿が見どころ
掛け合いもなかなか楽しい
設定や各要素に凝った所は無く、
その分構成とかに注力した感じ
続くの前提の終わり方だけど
完結しても良い構成だったかな


今日の甘口!

・流れ
  突如世界に現れた化物レギオンに
  よって荒廃した世界
  各国の軍で敵わなかったので
  人々はドーム状のシェルターで暮らしている
  そんな中、謎の少女集団がレギオンに対抗していた
  少女集団は葬花少女隊という
  レギオンも葬花少女も魔法を使って戦うらしい
  主人公は葬花少女隊隊長に見込まれ
  魔法銃を渡されるが、
  レギオンと葬花少女隊の戦いで見たものは・・・という流れ
・テイスト
  約370ページの大容量に見合った
  読み応えが味わえると思います!
  開始から暫くは甘甘展開ですが、
  それを過ぎれば
  これまで生きてきた日常が実は・・・!
  といった感じでガラガラと崩れ、
  視えている世界が一変します
  そしてピンチに次ぐピンチ、
  ラストに向かって絡まっていく過去エピ、
  絶体絶命のラストバトルで主人公は・・・!
  という感じでじっくり楽しめる構成になっております
  設定に凝った所は無く
  各要素も王道的ではありますが、
  その分構成やキャラ同士のやりとりに
  力が注がれていますね
・キャラ
  【葛見】は主人公
  人の死を黙って見過ごせないタイプ
  難儀な事に幼馴染からのアダ名は『クズ』w
  でも悪意は無いので嫌な感じはしないです
  【春野】は幼馴染
  既に葛見の嫁状態で、感情の起伏が激しい
  【アイリス】は葬花少女隊長
  アイドル的存在で性格もアイドルな感じ
  でも、実は・・・
・商品性との両立
  始まって暫くは甘甘展開の商品部分
  そこを過ぎてから描きたい事を描いて、
  自然にこの容量になったという感じ
  私は思いました・・・
  商品性ときちんとしたノベル性を両立させるには
  これくらいのページ数無いと駄目なんでしょーね
  現役作家さんで悩んでいる方は
  これくらいのページ数で編集に提案して
  みるのもアリかと
  力関係上無理だったら開始100ページを商品
  と割り切って紙面を捨てる方法かな・・・
  描きたい事を情熱持って描く事を
  応援してくれる編集であれば
  そんな必要無いんですけどね


今日の辛口!

・設定面
  設定面にやや弱い部分があるので、
  今後その部分に力を注ぎつつ
  ストーリーのクオリティも落とさない
  感じで行って欲しいですねw


以上、
視えている世界が一変する?!
ファンタジー作品でした!


2014年7月15日火曜日

《番外編》ギンレイの【気ままにランキング!】7月号

ランキング企画7月号をお送りしたいと思います!
一ヶ月経過してまた10個星作品も増えました
さぁ今月の順位はどう変わったのか~~?!

ランキングを発表したいと思います!!



 1位 : ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン2(電撃文庫)

      ★ 戦記ものとして描く所をしっかり描き、
        かつエンタメ性も高く仕上げた逸品!

 2位 : 代償のギルタオン(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 新人離れした筆力で驚かされた!
        メッセージ性強し!

 3位 : 偽神戦記(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 最近出てきたばかりだけど凄まじい描写!
        世界観や設定の作りこみが凄い!

 4位 : 六花の勇者(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 提示の上手さは随一!
        発想が光る!

 5位 : ココロ・ドリップ(メディアワークス文庫)

      ★ やさしくてイイ話!
         胸が温かくなります!

 6位 : サマー・ランサー(メディアワークス文庫)

      ★ 瑞々しい青春!
        爽やかな部活!

 7位 : ドラゴンチーズ・グラタン(このライトノベルがすごい!文庫)

      ★ 荒削りで構成その他の上手さは無いかもしれない・・・でも!
        この日常描写は圧倒的な才能を感じる! そこだけでも見る価値アリ!

 8位 : 六花の勇者3(スーパーダッシュ文庫)

      ★ 1~2巻とはまた違ったテイスト!
         騎士の忠義がアツい!

 9位 : アクアノート・クロニクル(ファミ通文庫)

      ★ ストーリーの妙技!
         絡めに絡め、練りに練ったストーリーが光る!

 10位 : 時槻風乃と黒い童話の夜(メディアワークス文庫)

      ★ とことん絶望系の描写!
        読むのには注意が必要!



今回の新出は
時槻風乃と黒い童話の夜(メディアワークス文庫)
の1本でした!

上位3~4位くらいまでは今月も鉄壁!
今後の順位の動きも注目です!