2014年5月17日土曜日

ゼロから始める魔法の書  8個星です!!

タイトル : ゼロから始める魔法の書
賞種   : 第20回電撃小説大賞・大賞
出版   : 電撃文庫
著者   : 虎走 かける
イラスト : しずま よしのり


今日のインプレダクションはコレ!
ファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★☆☆
8個星です!!


その首頂戴!

半獣の男は魔女と出会い、
魔女の本探しを手伝う事に――
ライトなファンタジー
それなりに面白かった!
最大のウリは読みやすさですかね
手堅く纏められた印象
読み口はかなりライトで
バトルは真剣さもありつつ
ややドタバタ劇に寄せている感じ
でも会話や状況設定には
鋭く尖った部分も隠されていたり
広い層に訴求しようとしている気がします
ただしょうゆ・みそ・しおと手広くやった反面・・・
まぁ、いたしかたないかなw


今日の甘口!

・流れ
  【獣堕ち】という半獣人の男が
  森で魔女【ゼロ】と出会います
  ゼロは本を探しているようです
  その本は世界を滅ぼす程の
  もののようですが、
  盗まれてしまったようで・・・
  本を取り戻すために二人は
  コンビを組み、
  その本の行方を追っていきます
・設定
  魔術が長らく使われ脅威
  とされてきているようですが、
  ここでその概念が一新
  されようとしているようです
  魔術は手間のかかる手順を踏んで
  悪魔を召喚して・・・とか
  発動に時間がかかるのが普通だったけど、
  それが省略できるんですよ奥さん!
  って感じです
  『何故必要も無い悪魔を呼び出すのか?』
  という考えの下に省略しました
  って事らしいですね
・印象に残った言葉
  『人が化物を作る――か』
  獣男はその見た目で化物扱いされてきた
  半獣の者はそうした扱いを受け
  化物じみた性格の者が多くなるそうです
  それを聞いた時のゼロの感想ですね
  化物が化物であるのは、
  周囲がそのように定義し、
  そのように扱ったからであり、
  扱われた方も次第にそうなっていくのだと
  これはあれですね、
  魔女を悪者にしたてあげるという
  記述もそうですが、
  人間、とりわけ集団的な意識
  が生み出すものを表現しているようです!
  作者が込めた根底のテーマは
  差別の構造かもしれません
  とある対象に対し周囲が勝手に定義し、
  攻撃の対象にしてしまうのが
  基本的な構図です
  何故こんな勝手な定義が広まってしまうのか?
  簡単です、
  対象の事を良く知らない、
     ゆえに提示された勝手な定義を鵜呑みにしてしまうからです!
  提示された勝手な定義には
  本当も嘘も織り交ぜられています
  (『本当』で釣って『嘘』を刷り込む巧妙な手口!)
  嘘もあるのだ、と常に意識する事で
  提示された情報は疑ってかかるくらいの方が安全ですよ~!


今日の辛口!

・構成
  何か前半キャラの出会いと説明
  ばかりで話は全く進みませんw
  もう少しストーリーを重視して欲しいなぁ
  キャラ小説キャラ小説って言って
  ストーリーをないがしろにするのは
  そろそろやめよ~ZE!
・イラスト
  絶世の美女という感じの言葉を
  何度も使っているんだけど、
  どうやらイラストとは齟齬があるように
  感じます(あれ?!w)
  多分てきとうに美少女って記述を
  していた方が絵師も楽だったかも・・・!


以上、
それが省略できるんですよ奥さん! な?!
ファンタジー作品でした!


1 件のコメント:

  1. 【選評スコープ!】
    選評を見てみると、
    すべてにおいて見事、
    電撃的王道、
    オリジナリティで疑問符も、
    シリーズの広がりを期待
    主人公とヒロインの会話良し、
    前半物語が進まないもどかしさ、
    といった感じでした!

    ★ 選評 ★

    ああ、前半物語が進まないもどかしさ
    を感じた選考委員もいたのですね!
    私と同じです
    多分掛け合いをしながらも物語を進める
    というのは、
    相当高度な技術なのかもしれません
    単なるキャラ小説で終わるか、
    読み手をうならせるストーリーテラーになれるか、
    今後が勝負です、頑張って!

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