2014年4月14日月曜日

リーガル・ファンタジー  9個星です!!

タイトル : リーガル・ファンタジー 1 勇者弾劾裁判
賞種   : 第15回エンターブレインえんため大賞小説部門・優秀賞
出版   : ファミ通文庫
著者   : 羽田遼亮
イラスト : 三弥カズトモ


今日のインプレダクションはコレ!
ファンタジードラマ作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


異議あり!

弁護士の卵として
法律事務所の門を叩く少女は――
勇者や魔王、エルフがいる世界の
出来事を裁判を通して描くファンタジードラマ
結構楽しめました!
裁判は手段として用いているのみであり、
ちゃんとした裁判でないというより
これ位に抑えて丁度良いです
落とし方や推移を見る限り
ガチの方向ではないですね
文章は舞台裏を表すためか視点の
飛びが多いので、
キャラに近いor感情移入で読むより
俯瞰視点で読むと読み易いです
結構人間臭さも描かれていますので
それが大丈夫な人の方がオススメできるかも
主人公少女の立ち位置が
後半~終盤にかけて特殊な扱い
なるのはほほ~と思いました!
巻数1という事で続くの前提みたいですが、
続きも楽しみです!


今日の甘口!

・冒頭
  ファンタジー世界で
  弁護士見習いの娘が
  頑張るぞーと弁護士の下で
  働き始めるとゆーもの
  早い段階で裁判を一戦
  やってくれるので、
  無駄な萌えシーンに退屈
  させられずに済みます
  じっくり物語りを楽しみたい人におすすめ!
・エルフ姉さん
  法律で争う世界ですが、
  初戦で争う相手のエルフ姉さんはかなりのセクハラ癖です
  主人公フィオナの胸をいきなり揉んできたり、
  法廷の発言では
  『二人目の男の子の股間には立派なキノコがぶら下がっている』
  『確かに彼女は神聖な法廷で真っ赤なドレスを着ている
   見るものが見れば不遜な態度かもしれぬ
   もっと端的に言えばただのビッチじゃ』
  と言葉使いが凄いですw
  おまけに守銭奴・・・
  でもこのエルフ姉さんと戦った後でこの人は重要な人物になります
・法廷回し
  法廷の回し方は
  『それでそういう流れになるのか?』
  という感じではありますが、
  ターゲット層を考えた時
  あまり本格的にすると
  寧ろ殆どの人が理解できなくなってしまうのではないかと思うので、
  こんな感じで良いのでは
・人間臭さ
  裁判においての裏は結構深い所を突いています
  法廷で親権を父にするか母にするか争ったのですが、
  最終的に子供達がどちらを選ぶか、となります
  子供達は皆優しい父親が良いと言いましたが、
  長女だけは反論しました
  『兄弟達は分かっていないのです
   この暮らしができるのは母のおかげだと』
  良い暮らしができるのは
  母・・・というかその親の威光のおかげ、
  離婚したら父は追い出され生活は困窮する
  優しくてもそれではやっていけないだろう、という事です
  優しさより金・・・という一見
  涙を呑んだ我慢の選択のよーに見えます
  が、これには『長女が学校に彼氏ができ、離れたくない』
  という裏があったのです・・・!
  この個人的なものを兄弟全員の
  ためであるかのように嘘の証言
  をしてしまったのですね
  まーこの偽証長女も外道ですが、
  それを教唆したのはエルフ姉さん
  という弁護士であるというのも外道
  って感じで二重の外道が重なってます
・法律と正義
  主人公フィオナはお金儲けでなく、
  法律によって人を助けたいという志を持った素直な娘です
  弁護士の卵達は国王の
  前で宣誓するそうです
  『誰に恥じることなく正義を遂行し、法を求める人すべてに手を差し出す』
  という趣旨です
  そういえば、と思い出しました
  最近裁判関係で『正義』を聞いた気がします
  昔の事件でどうやら警察検察が強引に
  有罪にしてしまったけれど、
  30年以上経過してやっぱり(逮捕からは40年超え?)
  再審しましょうってなったニュースです
  『これ以上、拘置を続けるのは耐え難いほど正義に反する』
  という言葉が出てきましたね
  正義なんて存在しないさ~という人多いけど、
  これを聞いたらどうでしょうね?


今日の辛口!

・視点の飛び
  舞台裏などを表すために
  視点が結構飛びます
  俯瞰視点で読めば気にならないのですが、
  キャラに近い、または感情移入
  で読むのを好む人からは
  読み辛いと言われるかも
  内容的にはデビュー作として
  申し分無いかな
  これ系はエピソード考えるのが大変ですが
  今後突き抜けたものになる事を期待します
  頑張って下さいね~!


以上、
異議あり! な?!
ファンタジードラマ作品でした!


1 件のコメント:

  1. 【選評スコープ!】
    選評を見てみると、
    アイデアに着眼し一本書ききった所を評価、
    世界観設定やストーリー展開に幾つか改めるべき点、
    魅力的なキャラクターやRPG的小ネタにセンス、
    といった感じでした!

    ★ 選評 ★

    まずは一本きちんと書ききった
    所ですね!
    媚びずに書いてる割とストイックな
    作品なので、
    これからも残っていってほしいです
    頑張って下さいね~!

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