2014年2月19日水曜日

時の悪魔と三つの物語  9個星です!!

タイトル : 時の悪魔と三つの物語
賞種   : 第7回HJ文庫大賞・大賞
出版   : HJ文庫
著者   : ころみごや
イラスト : かぼちゃ


今日のインプレダクションはコレ!
時を駆ける系ファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


想い、繋げて

あの時に戻れれば・・・
死を控えるも会えない二人
死を迎える間際に出会った二人
そして時間に引き裂かれた二人
時を巡り、絡み合う物語――
『幸せのカタチ』が短編形式で
綴られ、ひとの幸せを願う
切ないエピソードが
味わえるかと思います!
メディアワークス文庫より
もう少しライトでもいけるよーという人に
かなりオススメの時を駆ける系ファンタジー作品です!


今日の甘口!

・雰囲気
  書き出しは雰囲気重視
  童話的世界というと語弊があるけど、
  ある時、こんな事がありました・・・
  というような空気感を演出している
  基本的にキャラ小説とは
  対極にある作品なので、
  物語を楽しみたい人向けですね
  キャラ小説好きだけど、せっかく
  だから物語にも目を向けてみたい、
  という人にもオススメ
  メディアワークス文庫ならイケル
  けど他にはなかなか手を出しづらい・・・
  という人にももちろんオススメですよ!
・切なさ
  短編形式で、それぞれ切ない
  エピソードが収録されています
  最初のお話は、想い人の死に
  間に合わず、会えなかったもの
  少年は失意に押し潰される
  が、そこに時の悪魔が・・・
  時を駆けるための砂を渡してくれます
  しかし、重要なのは過去へ
  行く事ではありません
  少年に幸せになってほしいと
  願った人がいるのです
  ひとの幸せを願うその想いには
  胸打たれました
  幸せのカタチがテーマかな
・物書き
  第二章で少年はちょい役で
  出てきますが、年間二十冊以上の
  本を書き上げる物書きだそうです
  ・・・二十冊?! 凄まじい量ですよ!
  月一冊だってはっきり言えば鬼の速さ
  なのに、その倍近くとは!
・設定
  過去を変えるとそれは分岐
  して平行世界になる様子
  でも、読んでいくとそこから
  また時を駆ける砂を使えば
  元の世界へ飛ぶ事もできる様子
  時間軸指定だけでなく、
  世界軸っていうの? その指定も
  できるみたい
  多元宇宙というか多元世界の観念
  に基づいているのかな
・しっかりした作り
  前日読んだ『ノノメメ、ハートブレイク(ガガガ文庫)』
  のゲスト審査員講評(フルメタル・パニックなどの作者)を思い出しました
  『会話が活き活き、
   プロットが地味に真面目にオーソドックス、
   バカには書けないしっかりした作り』
  といった感じだったと思います
  本作は会話は少なかったけれど、
  プロットが地味に真面目にオーソドックスだし、
  こっちの方が『バカには書けないしっかりした作り』
  だと思いましたよ!


今日の辛口!

・キャラについて
  静かな描写に向いてる人で、
  特徴付けたイロモノキャラを描く
  時はちょっとたどたどしいかな
  無理してそーいったキャラを
  配置しなくても良いし、でも幅を
  広げるためにその描写を強化
  していく方向でも良いかと思います
・設定とか
  悪魔の果実などの設定回りは
  かなり簡素だったかな
  やりたい事というかプロットの
  ため、いやそれでもないな・・・
  あれだね、
  プロットに忠実であるために
  設定や人々の言動がある感じか!
  (ハイそこ! 良い事じゃんといった人ダウト!)
  キャラを含めてその世界が
  プロットを飛び出して動き出す・・・
  という現象と言えばいーのかな
  そーいった世界に作者が没入して
  描くと、さらに良くなるんじゃないかな
  今後に期待です!


以上、
しっかりしたプロット作りで今後に期待、な?!
時を駆ける系ファンタジー作品でした!


1 件のコメント:

  1. 【選評スコープ!】
    選評を見てみると、
    構成力とプロットの精緻さ、
    読後感が素晴らしい、
    難易度高い挑戦も力量で過不足なし、
    といった感じでした!

    ★ 選評 ★

    ベタ褒めですね!
    私もかなり褒めましたがw
    今後も頑張って下さいね~!

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