2014年2月15日土曜日

人形遣い  9個星です!!

タイトル : 人形遣い
賞種   : 第7回小学館ライトノベル大賞・ガガガ賞
出版   : ガガガ文庫
著者   : 賽目 和七
イラスト : マニャ子


今日のインプレダクションはコレ!
異能ファンタジー作品です!


評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


人間らしさの、獲得

武装したからくり人形を操り
討魔を行う少女
本家や分家といった名家の
中で渦巻く陰謀に巻き込まれ、
妖魔だけでなく人間にも追われる事に――
『お前は人形だ』と言われるような
少女の不遇による欠落、
そして出会った吸血鬼少女の温かみに触れ
人間らしさを獲得していく過程
ダークな背景をもって描かれた異能ファンタジー作品です!


今日の甘口!

・やりたい事がはっきり
  武装満載のからくり人形を
  魔力で操る人達
  本家と分家からなる一族形式
  みたいですね
  ただ、やりたい事は異能バトルではなく
  人間性獲得の物語です
  取り上げられやすいテーマかもしれませんが
  一冊でかなり力を入れてそこを
  描いているので好印象!
  何かこういう意味では直前に読んだ
  『秋葉原ダンジョン冒険奇譚(オーバーラップ文庫)』
  も欠落した主人公が出てきた気がするけど、
  本作はそれの完成形か?w
  (テーマだけで見れば)
・設定
  スカートの中などに見た目より
  遥かに多い容量の収納ができる
  『ポケット』という亜空間
  作り出す事ができて、
  からくり人形のみならず色々
  入れておけるらしいです!
  ・・・え? ポケット?
  ・・・それって四次げ あっなにをする貴様らー!(連れていかれる)
・筆力
  序盤分家の陰謀で一気にピンチを作り出す
  というのは効果的な演出!
  その後の逆転を期待しますよね
  鬱な過去エピソードも、その後の
  ほのぼの日常描写を
  強調するためのものかな
  主人公少女の欠落部分を人形と
  表現したり、裏で立ち回る
  本家当主が事件を人形劇と
  見ていたり、作品の路線に
  一貫性がある
  こういう所を見る限り、筆力は高いかと!
・キャラ
  世界はわたしを中心に回っている
  と豪語する
  女主人公で、ちょっとイタイ娘
  でも異能の名家の中不遇極まる境遇で
  育ったため、処世術でそうなったという設定
  分かってしまえば嫌な気はしません
  妖魔に襲われてた女の子を
  助けたらその後絡みが出てくるんだけど、
  その女の子に弄られると主人公
  は拗ねたりして可愛い一面を見せますよ
  主人公少女とその伯父の
  減らず口合戦、といった悪口応酬も面白いです
  それから、一個注意事項ですが、
  本作には男×女の構図がありませんw
・気に入った言葉
  「いったい何と闘っているんですか、あなたは」
  「生きるということに」


今日の辛口!

・イラスト
  カラー絵がもったいない!
  一枚につきキャラ一人を描いてる
  んだけど、キャラ紹介みたいに
  なってしまい物語の空気感
  が伝わらないなー
  もう少しカメラを引いた位置からの
  イラストが欲しかった!


以上、
テーマをがっつり描いた?!
異能ファンタジー作品でした!


1 件のコメント:

  1. 【選評スコープ!】
    審査員講評を見てみると、
    文章に背伸び感、
    プロットが基本に忠実、
    ヒロイン二人の色気を五割増しで、
    といった感じでした!

    ★ 審査員講評 ★

    あー・・・それでヒロイン二人の
    絡みがこうなったのかw
    色気、必要だったか?w
    とりあえず改稿によって良くなったのか、
    私は大賞作よりも完成度高いなーと
    思いました!

    これからも頑張って下さいね~!

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