2013年12月17日火曜日

アリス・リローデッド 9個星です!!

タイトル : アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム
賞種   : 第19回電撃小説大賞・大賞
出版   : 電撃文庫
著者   : 茜屋まつり
イラスト : 蒲焼鰻

第19回電撃小説大賞の大賞受賞作は2つ、もう1つがコレ!
構成力の高い、しっかりした作品でした!

評価は
★★★★★★★★★☆
9個星です!!


運命に抗う、魔法ガンバトル!

バッドエンドを経験した意志を持つ銃が
過去へ飛ばされてしまい、
懸命に未来を変えようとする
戦闘シーンの構成と展開がしっかりしていて
完成度の高い作品でした!!


今日の甘口!

・計算された伏線
  魔法の弾丸は種類があって
  それぞれが何発しかない
  そうする事によって、
  ラストバトルでの緊張感を際立たせている
・時の旅の絶妙さ
  最初にバッドエンドを描写
  主人公である意志を持つ銃が
  過去に飛ばされ、
  バッドエンドを変えようと抗う
  読者は自然とバッドエンドとの対比を行い、
  そうなってほしくないと願うようになり、
  いつしか読者もキャラ達の応援をして
  一緒に未来を変えて行こうとする
  読者をどっぷり引き込む絶妙な技ですね!
・キャラ設定の整合性
  ギャングやガンマンといった
  世界に合ったキャラ作りで非常に論理派
  例えばヒロインの姉や母は娼婦であるとか
  ギャングのセリフでは
  「俺達が人を殺すのはクソするのと同じだ」とか
  舞台との親和性を重んじた作りになっている


今日の辛口!

・完成度故の不安
  伏線の張り方、
  展開の構成、
  技術が非常に完成されている
  でも逆に「荒削りで尖った部分」が無いのかも
  美しい幾何学模様は確かに良い
  でも模様に歪さが無いと逆に不安カナ


以上、
目を見張る技術で小説家を目指す人には教科書?!
な安定感のある作品でした!!


2 件のコメント:

  1. 選考委員選評を見てみると、
    改稿によって完成されるでしょう、という評価みたいですね!

    ★ 選考委員選評リンク ★

    改稿前がどんな状態だったか気になるところですムムム・・・
    時間跳躍モノは構成が複雑になりやすいのですねー

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  2. 【数の伏線】についての考察

    意外に使い易く、
    読者に思わず「うまい!」と感じさせる事ができる技術
    それが数の伏線だと思います

    何故ならば、
    推敲時の調整が楽だからです


    本作に出てくる魔法の銃弾を例にすると、
    ラスボスを倒せる銃弾はAだけ
    Aは2発しかない
    中ボスでAを1発消費
    ラスボスで2発目を撃って倒した
     ↓
    推敲開始、ラスボスをあっさり倒すのは盛り上がらない
    設定変えよう

    ここで、調整が入ります

    ラスボスは、2発目で倒せないようにする
    じゃあ、
    Aは2発しかない → 3発しかない、に変更だーっ!
    ・・・これで調整終了です
    追加で1発手に入る、とかでも良いと思います

    複雑な伏線だと後で変更しようと思った時、
    前半~中盤に戻って読み直す作業が大変になりますよネ

    これを応用すれば、
    一日3発しか撃てない必殺技で~とか
    色々なものに使えると思います

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